私の妄想からなる短編小説

真の宝の所有者 (2)

photo

みんなの前でお前はいつも後ろに一歩引っ張ってしまった。
その一足がどれくらい重いのか、ただ君だけが分かるが、
誰も知らないその重量を喜んで背負う君。
たぶん誰も知らない犠牲を、
あなたはただ笑顔で包まれた。 

人々はあなたのその笑顔を見て快適さを感じ、
あなたが渡した手に沿って前に進むが、
いざあなたの足が届くところは暗くて静かな後ろ道かもしれない。その道の上に一人で立っているあなたの姿が誰かに
孤独に見えるかもしれませんが、あなたはその孤独さえも
包んで抱きしめて道を作っていくだろう。

そしてついに、時間が経ち、すべてが静かになったとき、
あなたはその一人で歩いた道の終わりに自分自身の光を見つけるでしょう。その光は誰も占められない、ただあなただけの宝物。
それはあなたが他人のために歩いた多くの道の上に残された道、
君が献身したすべての瞬間が輝く結実になるから。 

だからあなたこそ真の宝の所有者だ。
いつもそうだったように、黙々と。