(二)
「でも、帰る前に患者さんに伝えなきゃ」「どうしていつも彼のことばかり考えてるの?」チャニョルはひどく不機嫌だった。「わかった。結婚式は延期にならない。明日検診があって、それから退院する。私は主治医だから、彼に気を配らないといけない」「気を配ってるんじゃなくて、甘やかしてるだけ」「何だって?」「何もないよ。一緒に行こう」「わかった」
入院病棟7階、ナースステーションの隣に新しいクレーンゲーム機がある。「買ったの?」「ええ、前のやつ壊しちゃったから、新しいのを買ったの」「すごい、お金持ちだね」「秘密を教えてあげるよ、ビル丸ごと買ったんだ」「このお金持ちの女性の足に3秒間しがみついてごらん」「さあ、しがみついて、しっかりつかまって」…
ノックノックノック…「どうぞ」チャニョルと二人で入ってきた。セフンは私を見て嬉しそうだったが、チャニョルを見ると表情が一変した。一人の男性がいた。セフンの兄に違いない。その男性はチャニョルに手を差し出した。「こんにちは、レイ・チャン・イーシンです」「こんにちは、パク・チャニョルです」「こんにちは、スーパージュニアです」「セフンの主治医?どうもありがとうございます」「いりません、いりません」「お兄さん、紹介しないで。スーパージュニアと話がしたいんです」「わかった、わかった、ちょっと脇に寄る」
「お兄ちゃんが見舞いに来たの?」「うん」「迎えに来たんでしょ?」「いや、違う!」 「迎えに来ようが来まいが、明日は用事があって病院には行けない。でも、君の定期検診は延期できない。明日は先生が診てくれるから、検診が終わったら連絡する。それからお兄ちゃんと一緒に退院できる」「いや…」「いや、もう魅力を使うのは無駄だ。お兄ちゃんはきっと君の容態を尋ねるだろうし、私も隠せないから、退院した方がいい」「でも、君と一緒にいたい」私は特に何も考えなかった。「会いたければ会いに来てくれ。でも、ずっと入院するのは良くないよ。分かった?いい子にして、セフン」「わかった」セフンはスーパージュニアの袖を引っ張った。チャニョルは羨ましそうに服をぎゅっと握りしめた。「あら、セフン、気をつけて」 「やらないわ」私はチャニョルを引っ張って言った。「我慢して」スーパージュニアはセフンに好意を抱いており、チャニョルの嫉妬は爆発寸前だった。
「それで、何しに行くの?」「花嫁介添人だ」「誰と?」「チャニョルだ」「彼が新郎介添人?」「ええ」「どうして?」「スーパージュニアを招待したんだ」「いいよって言ったんだ」「行かないでいいの?」「セフン、子供じみたこと言わないで。怒っちゃうよ」「ごめんね、スーパージュニア。いい子にするよ」「じゃあゆっくり休んで。検診の次の日に退院するから、その時は僕も一緒にいるよ」「本当?」「嘘はついてないよ!」「わかった、じゃあ行かせるね」「お兄ちゃんに話してみる」「わかった」
「レイ兄さん、こんにちは。」 「セフンはどう?」 「明日は用事があるので、先生が検査に連れて行ってくれます。問題がなければ明後日退院できます。」 「わかりました、ありがとうございます。」 「わかりました。」 「では、行ってきます。」 「わかりました。」
……
