初めて会った先輩に抱きついて泣いた

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今日初めて会った先輩に抱きついて泣いてしまった。
 もう、夢見ていた大学生活を諦めなきゃいけないかもしれない。
実は私、3歳年上の兄がいるけど、全然仲良くない。普段はほとんど話もしないんだけど、今朝は大喧嘩してしまった。仲良くもないくせに、ひどいことを言われたのが耳に入って、めちゃくちゃ悔しくて、死んでしまいたいくらい悲しかった。だから、授業までまだ時間があったけど、家を飛び出したんだ。
それで、私の目がどうかしていたのか、精神的に追い詰められていたのか、遠くのベンチに座っていた人を彼氏だと勘違いして、抱きついてしまった。相手が戸惑ってる声が聞こえた気もするけど、そんなのどうでもよかった。私はただ泣きながら暴言を吐いていた。でも、少し落ち着いて顔を上げたら──
知らない人だった。
いや、よく考えたら彼氏がこんなところにいるわけがない。でも、実際にこうして知らない人に抱きついて泣いた結果があまりにも最悪すぎて、頭が真っ白になった。「私、何やってんの…?」って、心の中で叫んでいたら、その人が先に口を開いた。

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「あの…」

やばい、声がめっちゃ良い。
 いやいや、私は彼氏持ちだし、こんなこと思っちゃダメだろ。でも、良いものは良い。
「あ、その…あの…すみません…!人違いで…!」
めちゃくちゃ動揺しながら頭を下げた。恥ずかしすぎて穴があったら入りたかった。
「……あぁ、大丈夫ですか?」
予想外の言葉に、脳がショートしそうになった。えっ、怒るんじゃなくて、私の心配してくれてるの…?
 まあ、私が抱きついて泣き叫んでたし、心配するのも無理ないのか。でも、この人、天使か?それともただのお人好し?
相手が怒る様子もなく、むしろ優しく対応してくれたことに少し安心したけど、恥ずかしいのは変わらなかった。だから、とりあえず「大丈夫です!」って言って、その場を去ろうとバス停に向かった。
しかし、問題は──

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その人もバス停にやってきたことだった。
まさか仕返しでもされるのかと一瞬ビクッとしたけど、ちらっと私を見ただけで、すぐにスマホをいじり始めた。どうやら偶然のようだった。
「早くバス来てくれ…!」と必死に祈っていたら、バスが到着。でも、乗ったら──
その人も乗ってきた。
もう最悪。早く降りてくれと願ったけど、結局、私が降りるまで降りなかった。
 ようやく解放されたと思って、喜んでいたのに、さらに衝撃の事実が待っていた。
降りた後、その人が向かった先は、私が通っている大学だった。
まさかの同じ学校。
職員?それとも遊びに来ただけ?まさか教授?
 いや、違った──
同じ学科の先輩だった。

講義室に入ると、その授業は舞踊科の必修授業だった。
 そして、あの人もそこにいた。
しかも、その人が座ると、周りの学生たちがすぐに隣に座ろうとしていた。え、もしかして人気者?
 なんだろうと思っていたら、すぐにその理由が分かった。
学科トップの先輩だった。
あの人の話は、今までも耳にしていた。
 舞踊科で成績トップ、人気もあって有名な人。
そんなすごい人に、私は初対面で抱きついて、号泣したんだ……。
死にたい。
呆然としていたら、ふと聞こえてきた。
「今日も〇〇先輩がどうのこうの……」
やっぱり、どこに行っても話題に上がる人なんだなぁ…と思っていたら、突然──

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「やあ」

目が合った。
しかも、この先輩、目が合うやいなや、口パクで「やあ」って言ってきた。
いや、何その余裕の笑み。私の焦りを完全に読み取ってるじゃん。
これ、完全に策略家じゃん。どうしよう。
終わった。
 助けて。

コメント:
匿名: 「それ、運命じゃない?」
匿名: 「ちょっと占いしてみるわ。この話が終わる前に絶対付き合ってる」
返信: 「え、急展開にロマンスぶち込むの?(笑)」投稿者: 「私がどれだけ穴に入りたかったか、分かる?」匿名: 「投稿者、今日アカウント作ったでしょ?急ごしらえのニックネームなのバレバレ(笑)」
匿名: 「どんだけ焦ってたんだよ……」匿名: 「てか投稿者、舞踊科なの意外すぎる」
投稿者: 「お前、私をいつ見たっていうんだよ…」匿名: 「wwwwwww」匿名: 「投稿者、お兄ちゃんと仲悪いの、ちょっと切ないな…ただのリアル兄妹の距離感じゃなくて、ガチで関係悪い感じがする…」
匿名: 「こんなに起承転結がしっかりした話、初めて読んだわ」
匿名: 「むしろ良い」投稿者: 「内心ちょっと嬉しいのバレた?(笑)」匿名: 「コメント読んでて思ったけど、投稿者めっちゃ性格良さそう。人気ありそう」
匿名: 「なんで突然告白してんの。投稿者はもう学科トップの先輩のものだから」投稿者: 「いや、誰が決めたの?」匿名: 「さっきのコメントお前だろ?」匿名: 「これ、マジでドラマ化してほしいんだけど」

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