好きだけど助けてあげる
3.その子供は私を知っています

⁰⁴¹⁴
2025.06.19閲覧数 3
ハユンの頼みに、ロヨンはいつものように首をうなずいた。
「うん、何でも言う」
「じゃあ…昼休みに頑張って歌ってあげる? 一緒にご飯食べよう」
もうおなじみのパターンだった。
作戦ヘルパー、静かな助手、名知らない感情収納。
それがロヨンの位置だった。そう思った。
だがその日は、少し違った。
ハユンがふとこんな言葉を取り出したのだ。
「お前、普段どんな人好き?」
「…なぜそんなこと聞いて?」
「ただ。あなたが誰が好きなのか気になって。」
無心なような口調だったが、その言葉がなぜこんなに心に残るのか。
「君も私に気になったことがあったな」 その事実一つにまともに上がった。
休む時間、偶然聞こえてきたダヘとハユンの会話。
「私? うーん…よく分からない。ただの友達にはいいのに…」
「そう?大丈夫。私もまあ、ただ調べているから」
その言葉に安堵するロヨン。それと同時に、良心が刺された。
「こっそり聞かないで」
「もうやめて期待しよう」
---
その日の午後、屋上。
一人で静かに座っているロヨンに近づいたのは都営だった。
彼は飲み物を渡していたずらに言った。
「これくらいなら俺、君の気孔専担じゃない?」
「…ありがとう」
「ハユンが好き?」
「いや、ただ助けてくれるんだ」
「でも、助けてくれる君が一番最初に怪我をするんだ」
その言葉が頭の中に刺さった。都営は軽く言ったが、目は真剣だった。いつからだったのか。彼はロヨンの心を、ロヨンより先に気づいていた。私を聞いた気分。むしろ知らないふりをして欲しいのに。トヨンはそんなことを知らないふりをしなかった。