「ご主人!ご主人の名前は何?」
「キム・ヨジュ...」
「わあ、名前かわいいね!」
「ど、どうも...」
「僕はジョンイン!ヤン・ジョンイン!フェネックだよ!」
「フェネック...?」
「うん!!フェネックって知らないの??」
え、なんでうちのソファにこんなガタイのいい男が座ってるの...?
さっき連れてきたちっこい子が消えてて、代わりに男がいたから体が固まっちゃった。
そんな私を見て、その男は首をかしげてニコッと笑って名前を聞いてきた。
なんでか分かんないけど、「ご主人」とか呼んでくる人に名前教えちゃったよ…。
名前を聞いた瞬間、無邪気に笑って「かわいいね」と言ってくれるなんて…
なにそれ、可愛い…。
お礼を言ったら自己紹介された。
名前はヤン・ジョンイン。
フェネックだって…
フェネック…さっきのちっこい子のこと?
まさかと思いながらもう一度聞いたら、勢いよく頷いて「知らないの?」って。
「知ってるよ…知ってるけど…フェネックってここにいていいの?」
「ジョンインは半人半獣だから大丈夫だよ!」
「あ、そっか」
「ご主人、バカなんだね」
フェネック知らない人なんていないよ…
まさか私のことそんなに無知だと思ってるの!?
私はただ「フェネックがここにいていいのかな」って思って聞いただけなのに。
「半人半獣だから問題ないよ」って言われて納得して頷いたら、
このニコニコしたキツネ…私のことバカ呼ばわり…。
「で…何歳なの?」
「人間の年齢で21歳!動物年齢で3歳!」
「21歳?!」
「うん!どうして?」
「私より年上じゃん...?」
すごく若く見えたから年を聞いたら、人間年齢で21歳で動物年齢で3歳らしい。
ちょっと待って…21歳ってことは私より年上じゃん…!!
衝撃で固まってる私を見て「え?」って顔してた。
私はそのまま呆然としながら「お兄ちゃんなんだね…」って言った。
「えっ、僕ご主人よりお兄ちゃんなんだ!?」
「そ、そうみたい…」
「じゃあ、『オッパ』って呼んでくれる?」
え、なに?
私のその言葉にびっくりしたのか、「オッパって呼んでよ」って言われて
私はまた固まった。
「……」
「嫌?」
「……」
「……」
「はっ...!」
何も言えなかった。
そりゃそうだよ、こんな若そうな人が自分より年上なんて…
黙ってる私に、「嫌なの?」って聞かれても答えられないよ。
そうしたら、その人は顔をすーっと私の方に近づけてきた。
ほんの少し近づけば触れそうな距離…
そして、その顔のままで言ったのは…
「ヨジュの『オッパ』って呼ぶ声、聞きたいな」
…ドキッとした。マジで。
