囚われて

囚われて (2) - 蛇獣人

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_「ありがとうな、ラーテル嬢… 捕まってくれて…

身元さえ確認できたら、お前を大人しく帰すつもりはないぜ…

ちょっとラーテル共に用事があるんでな…」_

「ハッ、笑わせんな… 本当に用事があるかどうかは、見てみないと分からないだろ?」

男は私が負けじと言い返すと、少し驚いたようだった。そうだ、私はラーテルとして負けるわけにはいかない。 特に蛇どもには…! あいつらはいつも**「自分たちは上位種だ」** みたいな顔してるけど、マジでムカつく。

今は外現化もできず、こんな風に縛られている無様な状況だけど… 負けるのだけは絶対に嫌だ。

それに、身元確認をしているということは…
ここは私を狙って誘拐したギャング組織や、ラーテルへの復讐に燃える無法者の集団ではなさそうだ。

つまり、今すぐ殺されるようなことはない。
だったら、強気の態度で出るしかないな。

「もし私が、お前とは何の関係もないラーテルだったら… どうするつもりだ?」

私は皮肉っぽく言った。
蛇獣人たちは私の種族を嫌っているが、私は別に奴らに何もしていない。

「ふーん… そんな可能性は低いと思うけどな?」

男は負けじと答えた。

「もし関係なかったら、こうして縛ったことを謝る気はある?」

「うーん……」

男は少し考えるような素振りを見せた。

「いいだろう。万が一、関係ないなら謝ってやるよ。」

男の言葉に私はニヤリと微笑んだ。

「ほう? そりゃ楽しみだな…
その言葉、忘れるなよ?」

よし!
あの顔で本気の謝罪を聞けるなら、少しは気が晴れるってもんだ。

だが、男は続けて言った。

「その代わり、少しでも関係があったらどうするつもりだ?」

男の言葉に、私は少し考え込んだ。

「…うーん、そうなったら… 好きにしろよ。
どうするかはお前に任せるよ。
好きにしてみろって話だな。」

私の言葉に、男が低く呟いた。

「俺が好きにするって… どんなことされるかも知らねえのに、随分と度胸があるな。」

その後、男は何も言わず、再び鼻歌を歌い始めた。

……沈黙。

この気まずい雰囲気… 最悪だ。

男は、おそらく**「ユンギヒョン」** とやらが身元確認の結果を持ってくるのを待っているのだろう。
でも私は… 退屈すぎて死にそうだった。

何より、この拘束状態がムカつく!
こんなこと、何時代のやり方だよ!?

イライラした私は、男にさらに絡むことにした。

「で? 兄さん、お前はどんな事情があんの?
ラーテルに恨みでもあんのか?」

私の言葉に、椅子にもたれていた男がこちらを見た。

「…やけにうるせえな… ああ、恨みならあるけど? それが何だよ?」

男は面倒くさそうに答えた。

私も負けじと煽り返す。

「へぇ? もしかして、親がラーテルに殺されたとか?」

言った瞬間、後悔した。

男の顔が、一瞬で血の気が引いた。
そして… 蛇のように縦に裂けた瞳孔。

…やばい。

「ハァ… 本当は、ここまでするつもりなかったんだけどな…
まあ、お前と一緒にいる間にブチ切れるよりはマシか…」

「…な、何の話…?」

「いや、単に…
お前がうるさすぎる って話だよ。」

男がゆっくりと近づいてきた。

…怖い。

ちくしょう!
外現化さえできれば、こんな奴にビビることなんてないのに!!

男の肌に、黒い鱗の模様が浮かび上がる。
それを見た瞬間、鳥肌が立った。

人間の状態では耐えられないレベルのプレッシャー。
こいつ… キングコブラか…!

終わった。

「抵抗すんな。
今、お前を放っておくと…
俺が何かしでかしそうだからな。」

男が静かに迫る。
身体の一部を蛇の姿に変えながら…

腕のあちこちに黒い鱗が浮かび上がり、
首元にはキングコブラ特有の模様がはっきりと現れる。

そして、男は私の髪をぐっと掴んで、一気にかき上げた。

近づいた男の口元から、長く鋭い牙が見えた。

「クソッ…またかよ!!」

ガブッ!!!

そして、私は再び意識を失った。