練習室のドアの前で

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演劇部の練習が終わればいつも一番最後に残る子がいる。 舞台照明を消し、小物の所定の位置にまとめ、押されていた台本まで、次々と折れる静かな後輩。

ハン・ドンミン。

別に、つけ性のある性格でもなく、誰がさせたものでもないのに、いつもそんなことを引き受けている。 他の後輩たちは練習が終われば服を着替えるのに忙しく、先輩たちは次のスケジュールを確認するために右往左往するが、 その子はいつも最後まで何も言わずに残っている。

下も存在感なく歩き回り、序盤には演出部の恋人だと思った。 ところがある日から俳優パートに入ってきて、その時から私に変に言葉をたくさん付けた。

・・・正確に言えば、指摘をたくさんした。

「先輩、さっきそのセリフ拍子ちょっと押されたんです」

最初の言葉がそれだった。

いじめ、感情なしで、丁度。

その日の練習の時にたった一度大使を遅く投げたのが当たった。 感情線がねじれて気になったセリフだったが、それをあえて終わって指摘してきた。 気分が悪くはなかったが、腐ったこともなかった。 その子は私が答えもする前に言葉を切った。

「その場面、表情は大丈夫でした。最後に目を避けたこと」

妙に気になるように言っては、それが全部というように静かに机をまとめた。 私は何と反応もできず、バッグストラップだけを握った。 知的みたいでも、褒め言葉も、ただ観察みたいでもある言葉。 その子は必ずそういうことだ。感情のない言い方で、必ず必要な言葉だけ吐き出して消える。

しかし、奇妙なことに、その愛の言葉はどんどん思います。

その日以降、練習前の照明をあらかじめ点灯したり、ヒーター温度を2度ほど高くすることが頻繁になった。 最初は偶然だと思った。しかし 私が別に頼んだことのないことを毎回誰かが最初にやったということに気づくのには長くかからなかった。

ふとそんな気がした。

私が間違えることを最初に気づいた子供、
寒く見えたら一番最初に手を入れる子、
それが毎回ハン・ドンミンだったということ。

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「先輩足首ちょっと不快に見えたけど、大丈夫ですか?」

一日はそんな話もした。 練習終了して帰ろうとした道木、浄水器の前で遭遇したが 私が水を浮かべるのを見て、言葉なしでカップをもう1つ取り出したら、そう尋ねた。

前後のない質問だった。 あまりひどく怪我したわけでもなく、あまりティーも出なかったはずなのに。 それを気づいたというのがもう不思議だった。

「見た?」

私が尋ねると、その子は非常に短く答えた。

「ただ何。」

そして言葉なしで私のカップに水を注いで出てしまった。 その日以降、左足首を無意識に包むことになった。 誰が見ているのか見てではなく、その子が見たということをもう実感したからだった。

静かな子だった。

練習中も言葉をたくさんしなかった。 ところが私がセリフを逃したり、感情がずれたときは是非視線が感じられた。 舞台の上でも、練習室のひとつでも、いつも遠くから見守る気持ち。 それを意識しないことは、かなり難しい。

「先輩」

次の練習の日、その子が最初に私を呼んだ。
終わって帰ろうとしていた廊下で。

「あのシーン。前よりいいんですけど」

私は頭をかき立てた。
その場面が何か、具体的に言ってくれたことはないのに その子は知っていた。

「指を震わせた。少し揺れた」

・・・あ、それを見たな。
不安で握っていた紙の小物をずっと触ってしまったのに。 それをあえて覚えていた。

「観察力いいね」

私がそう言うと、その子はゆっくりと目を引いて呟いた。

「そんなことがよく見えます。先輩はティーが上手い方だ」

奇妙な言葉だった。 しかし、気分は悪くなかった。 むしろ、バレても安心したような不思議な心だった。

その日以来、その子がなぜ俳優パートに入ったのか気になり始めた。