二人の最初の出会いは思ったより平凡だった。
1年前、ヨジュがボムギュのクラスに転校してきたことで、二人の縁は始まった。
ヨジュは明るくて元気で、ポジティブなエネルギーに満ち溢れ、みんなから愛される存在だった。 そしてその愛を与えることもできる子だった。
そのおかげで、転校してきてほんの数日でクラスの注目と愛情を一身に受ける存在になっていた。
「こんにちは!」
「うん、こんにちは。ヨジュだよね?」
「私の名前、知ってたんだ!」
「有名人だからね。知らなくても自然と耳に入るよ。」
本当に面白い子だな。質問にはちゃんと答えるけど、その答えはキム・ヨジュが思っていた枠から少し外れたものだった。
もっと楽しくなりそうな学校生活を思い浮かべながら、ヨジュはボムギュのカーディガンに付いている名札を確認した。
「チェ・ボムギュ… あなたもなかなか普通じゃなさそうね?」
クラスメイトたちと一緒にいて何度も耳にしていた“チェ・ボムギュ”という名前。
接点はないと思っていたけど、接点がないどころか、同じクラスだったなんてこのとき初めて知った。
「特に噂になるようなことなんてないけど…」
「イケメンじゃん。これだけ騒がれてるのも納得。私のタイプだし。」
ヨジュが転校してきてから、すでに一週間が経っていた。
クラスのほとんどの子と話をしたと思ったころ、ヨジュの視界にボムギュが入ってきた。
やはり“行動隊長=キム・ヨジュ”という公式が成り立つように、ヨジュはすぐにチェ・ボムギュに近づいた。
もちろん、遠くからでもすぐに分かるイケメンの顔に惹かれて近づいていったといっても過言ではないほど、キム・ヨジュはボムギュに惹かれていた。
その一方で、ボムギュにとってヨジュはただのクラスメイト以上でも以下でもなかったが、この日をきっかけに彼女のことを嫌いになり始めたのだった。
