二人は翌日の朝になってこそ目を覚ました。
最初に起こったのはペクヒョンだった。
不思議な静かな海の下で巨大な揺れが感じられた。
足元の揺動を潜在懸念しても、それにならなかった。
神聖力が摩耗しており、人魚を抱いた海の泣き叫びであることを。
ペクヒョンはじっと冷熱のそばに座った。
しばらくチャンヨルに言ってあの遠くに陸地に出ようと言おうとした。
しばらくの災い、その嵐の前夜であることを知らないまま。
すぐにチャニョルが目覚め、チャニョルはその懐にペクヒョンをいっぱい抱きしめた。
何も聞かなかった。
ただこの瞬間を見逃したくないから。
その狂気の海の真ん中にペクヒョンがいたということも何の関係もなかった。
クンクン大は心臓拍動が、チャンヨルがどれほど驚いたかを教えてくれた。
そんなチャニョルの背中をゆっくり使ってペクヒョンは裏首に休むことなくしっとりと合わせてくれた。
実はペクヒョンは何も覚えていなかったけどね。

- 夏の少年、人魚の話。
