「すみません、2年生の職員室ってどこですか?」
ウンジは広すぎる校内で完全に迷子になっていた。
周りを見渡して、きちんと制服を着てはいたが、ネクタイは雑に結ばれ、
口にキャンディをくわえた少年に声をかけた。
「あっちです。」
その少年は、寝坊して遅刻しそうになっていたジフンだった。
彼が右手で方向を示すと、
ウンジは名札をチラッと見て、優しく笑って言った。
「ありがとう、ジフンくん。」
ジフンはウンジの背中を、
彼女の姿が見えなくなるまで目で追いながら、つぶやいた。

「声は女の子っぽかったけど…?」
ようやく2年生の職員室にたどり着いたウンジ。
大きく深呼吸をしてから、ドアをノックして中へ入る。
2年生担当のソクフン先生が、配属手続きを手伝ってくれた。
「こちらが新しく私たちの仲間になる、チョン・ミンギ先生です。」
「初めまして。チョン・ミンギです。至らない点も多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします。」
「これが、担当してもらうクラスの生徒リストです。名前と顔をなるべく早く覚えてください。」
「はい、承知しました。」
「これは、前任のパク先生が整理していたセブンティーン班の資料です。」
(USBを手渡す)
「ありがとうございます。」
授業の前に、ウンジはUSBをノートパソコンに差し込み、
写真と名前を見ながら生徒を覚えていく。
そこに、さっき道を教えてくれたジフンの写真を見つけて驚いていると、
ソクフン先生が彼を見て言った。
「ああ、この子?」
「国が認めた天才ですよ。」
「天才…ですか?」
「作曲だけじゃなくて、歌も上手なんです。セブンティーン班の中でも最も期待されている生徒ですよ。チョン先生、ぜひしっかり導いてくださいね。」
「はい、頑張ります。」
この学校は、生徒の才能を最大限に伸ばすために作られており、
学校側が生徒の個性や能力に合わせてクラス編成を行い、
将来的には芸術家として成功できるよう育てていくのだ。
新米ではあるものの、17人の少年たちを一人で任されることになったウンジ。
出席簿の一番上には、こう刻まれていた。
# セブンティーン
彼女は、17人の少年たちを無事に導けるのだろうか?
