片思いマスター

プロローグ

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「ヨジュ、また来たの?今日もアイスティー?」
「ううん、お兄ちゃんの番号ちょうだい」
「ダメダメ、それは無理—」

チェ・スビンは今日もツンツンしてる。片思い歴5年、ほんとにもうしんどい。でも、サッとアイスティーを作って渡してくれるお兄ちゃんの顔は全然飽きなかった。しんどい?いや、むしろめちゃくちゃイケメン。来てよかった!

「5年もツンツンしたんだから、そろそろ落ちてもいいでしょ、お兄ちゃん!」
「5年もアタックされたんだから、そろそろ諦めるべきじゃないか、ヨジュ?」
「お兄ちゃんは私の気持ち、ちっとも分かってくれない!」
「うん、全然分からない。」
「もういいよ、この意地悪なオッサン…」

今の私は19歳、お兄ちゃんは24歳の大学生。
初めて会った時、スビンお兄ちゃんは19歳だった。あの時の制服姿はマジでヤバかった…!懐かしく思い出してニヤニヤしてたら、また変なこと考えてるだろって怒られた。

バイトが終わったのか、自然に私の隣に座り、ノートパソコンを開くお兄ちゃん。ちょっと!私が隣にいるのに!?宿題するの!?こんなに天気もいいのに、私とデートしようって気にはならないの!?

でも、そんなこと言ったら絶対逃げられるから、黙ってお兄ちゃんの顔を眺めることにした。あぁ、本当にイケメン…

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「お前、いつまでこうしてるつもり?」
「ん?お兄ちゃんが帰るなら、私も帰るよ。」
「…俺、課題で遅くなるぞ。」
「だから何?」

あなたは課題でもやっててください。私は生きる彫刻を鑑賞しますから。最近、試験期間とかで全然会えなかったんだよ。じーっと見つめていたら、お兄ちゃんが小さくため息をついて、ノートパソコンを閉じた。

「送っていこうか?」
「うん!」
「じゃあ、早く行くぞ。送ったらすぐに課題やるからな。」

急いで荷物をまとめて出ようとするお兄ちゃんの後をついて行った。あ、もう一度言っておくけど、絶対に付き合ってるわけじゃないからね!隣の家に住んでるから、家を知ってるだけ。

小さい頃、お兄ちゃんの家で一緒に住むって駄々をこねたこと、思い出すと笑えてくる。ププッ。

一人でニヤニヤしてたら、前を歩いていたお兄ちゃんが「?」って顔をしてこっちを見た。その可愛い表情に思わず飛びつきたくなるけど、ここは我慢。

「何笑ってるんだ?」
「お兄ちゃん、私と付き合おう?」
「いや、だから何で笑ってる流れで告白になるんだよ。」
「じゃあ、お兄ちゃん、せめてキスして?」
「帰れ。」

チッ、今日も失敗。
でも、お兄ちゃんの顔が見られるだけで感謝。踵を返して歩き去るお兄ちゃんに向かって、元気よく叫んだ。
「お兄ちゃん、また明日ね!!」


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キャラクター紹介

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チェ・ヨジュ(19歳)
 "スビンお兄ちゃんがいない国なんて、国じゃない!"
片思い歴5年、いや、もう堂々と好きって言ってる。
 思春期の頃から好きで、今まで彼氏がいたこともない。
 つまり、生まれてこの方ずっとソロ。

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チェ・スビン(24歳)
 "俺、もうこんな歳なのに、お前と付き合えるわけないだろ。"
断る時はキッパリしてるけど、本気でキツく言えないタイプ。
 なだめても、怒っても、全然効果なし(というか、怒ってもダメージゼロ)。
 ヨジュのことを まったく、ぜんぜん、これっぽっちも 女として見ていない。