ここは、思ったより静かだった。
村の入り口にかかった看板は古い色感で、バスは停留所を通り抜けてほこりが残った。
数ヶ月前ならこんなところを探しにわざわざ来なかっただろうが、最近の私は逃げるようにそんなところが欲しかった。ベルを押さなかったが、開いたドアは古い鐘の音で存在を知らせ、瞬間間違えたかと躊躇した足は猫の泣き声に止まった。
中にはその猫の音よりも静かな空気が流れた。
一人、そして3匹の猫。窓辺に座った黄色のチーズ猫は目だけがひどく、足元に通る猫の尾が足首を撫でると軽く息が漏れてきた。隅のテーブルで誰かが起こり、彼はゆっくりと近づいていると言った。
「座ると右の窓辺は避けてください。鳥居が嫌いです」
予想より低い声だった。乾燥したがどこか気分悪くなかった。私は止まったが、慎重に別のテーブルにバッグを置いた。何か言ってももっとかなと思ったが、彼は言わずカウンター側に戻った。
猫たちが気をつけて足を踏み出すその空間は、まるで人が大きすぎる音で呼吸することすらすみません。席をつかんでメニューを覗いてみたが、冊子の代わりに黒い黒板が全てだった。
「コーヒー、紅茶、牛乳。シロップなし。梱包しないでください。」
別言もないのに笑いが出た。厳しいように、面倒なように書いたこの一行が意外と正直だった。カウンター越しの男、もう一度彼の顔を盗んだ。淡い二重まぶたに猫のように少し上がった目つき、言葉なしで動く手。どこか鋭い印象だったが、猫たちのそばでは妙に柔らかく見えた。
「コーヒーです」
私は静かに注文しました。
彼は頭をうなずいて言葉なしで帰った。
しばらくして、コーヒーが私の前に置かれた。小さな紙コップでもなく、カフェロゴもないただの陶器のグラス。何か特別なこともないブラックコーヒーなのに変に暖かかった。味ではなく、グラスを渡したときにその短い目つきで感じられたぬくもりがあった。
彼は再び言葉なしで席を去り、私はコーヒーを一口飲んで安堵のため息を吐いた。ここは静かで、誰も私に質問しませんでした。それが今の私にとってはありがたいことだった。
猫の一匹が私の靴の横にふわふわと座った。尾がゆっくりと振り回され、前足で思わず自分の顔をこすった。私はゆっくりと手を伸ばしたが、猫は目だけがひどいだけ、動かなかった。ただ、あるまま放っておくのがここのやり方のようだった。
彼は再び近づき、テーブルの隣に静かに何かを置いた。
白いティッシュ2枚、そして小さく詰められたゆず茶ティーバッグ。
「風邪元気があるようです。水はセルフです」
無表情で吐き出は終えては妙に暖かかった。
私は少し慌てて頭をうなずいて、彼が振り向くのを見て再び考えました。
彼の言葉は短いが、行動は長く残った。カップに温かい水を注ぎ、ゆず茶を懸念して窓の外を見た。
雨でも来ればいいと思った。雨が降ると、この静かさももう少し許されそうだった。
その日私は初めて、言葉をたくさんしなくても慰めになる人がいることを感じた。
その人の名前はまだ知らなかったが、
その日に飲んだコーヒーは確かに私の一日を少し少なく使うようにしてくれた。
