夜11時のキム・ウンハク
11

図書館の扉を出るときは、すでに太陽が沈んでいた。
空は青く暗くなっており、キャンパス街灯の光が一つ二つ点灯していた。
私はその光に沿って歩き、ふと止まった。今日、熊石のステッカーがついたタンブラーがより重く感じられた。
手に取る重量ではなく、心の中に積もっていく重量だった。
数日前から、私はコメントウィンドウでますます声を下げました。
放送をオンにしてもこれ以上何も言わなかったり、短く「よく聞いています」程度だけ残した。
DJさん―いや、もうはっきり分かった姉の顔が浮かんだ。
図書館で笑ってくれた表情と、放送で他のリスナーに渡された笑いが重なり、私の心は複雑になった。

김운학
「私が単にリスナーなら、ただ聞いていてもいいはずなのに」
唇が自然に動いた。

김운학
「でも…私はそれじゃないじゃないか」
足を止めて携帯電話を入れた。
やがてラバンのお知らせが上がっていた。
タイトルは「互いに違う席で、同じ音楽を聴く夜」。
公知の文章一つにもその人の声が聞こえるようだった。
私は放送が始まるまで窓辺に座って静かにイヤホンを挙げた。
そして正覚になると、おなじみの挨拶が流れてきた。
「こんにちは。今日も11時の時間を一緒にいただきありがとうございます。」
その声を聞く瞬間、我慢してきた感情が飛び出した。
これは単にリスナーとしての感情ではなかった。
私を呼ぶ名前、私を見つめる目つき、
そして私の笑いを覚えてくれる心。
そのすべてがラジオの中のDJではなく、「姉」という人から来たということを私はすでに知っていた。
コメントウィンドウはいつものように早く上がった。
springletterが笑顔の絵文字を残し、他のリスナーが今日の曲をお勧めしました。
しかし、私は一行も残すことができませんでした。
文字を打ち消すことを繰り返した。
書きたいのはただ一文だった。
bearwith_u
DJさん、いや…姉。私はただリスナーではなく、姉という人が好きになりました。
だが、その言葉を書いた瞬間、画面越しの関係が崩れるのか恐れた。
これまで積み重ねてきた馴染みが崩れ、放送でさえもはや一緒にできなくなるか恐れていた。
放送が終わり、一人でキャンパスを歩いた。
街灯の光が長く伸び、影が二つに重なった。
その影の中でふと勇気が頭を上げた。
今は失っても言わなければならない。
その決心がつま先で冷たく広がった。
数日後、図書館で再び姉に面した。
久しぶりに目が合ったが、その瞬間奇妙に息が詰まった。
姉はちょっと笑ったので、ペンを下ろして私をまっすぐ見た。
「運学児」
その呼びかけに心臓が大きく鳴った。

김운학
「うん?」
「私は…今は失う覚悟でも言ってみよう」
その言葉は意外だったが、同時に私が待っていた言葉でもあった。
瞬間、すべての音が消えたようだった。
ペンが転がる音も、図書館の咳音も、時計秒針音も。
ただ彼女の声だけがはっきりした。
私は指先をしっかりと握った。
そしてついに答えた。