台湾に残る、あの日の約束

EP11 彼の思い出のお店

翌朝。

ホテルのロビーに降りると、
奕翔が窓際のソファに座っていた。

私に気づくと、軽く手を上げる。

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「おはよう。」


「おはよう。」


ふふ、まだ少し眠そう。

なんとなく昨日までとは違う空気




「今日、どこ行くの?」


「朝ごはん、食べに行こう。」


「いいね、何のお店?」


「僕が学生の頃によく行ってたお店。」


「え、行きたい!」


車に乗り込む。


しばらく走って、

奕翔が連れてきてくれたのは、
昔ながらの朝ごはんのお店だった。


「ここ?」


「うん。」


「奕翔、こういうところ行ってたんだ。」


「学生の頃はよく来てたよ。」


「へえ〜。」


店内に入ると、
台湾らしい朝の空気が広がっていた。


メニューを見ながら、
私は奕翔に聞く。


「何がおすすめ?」


「これ。」

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「じゃあ、それにする。」


「じゃあ僕も同じの」


店員さんが素早く作ってくれる
一口目を食べる私を、

やや緊張した顔で見守っている。


「美味しい!」


「ほんと!良かった〜」


お勧めした手前責任を感じたのか
ホッとした表情の奕翔。


実は結構真面目な所があったりして
普段の明るい印象とのギャップにドキっとする


空は天気が良くて
まるで今日1日を歓迎してくれているようだった。


「このあとどうする?」


「華山に行ってみる?」


「やった〜!行きたい!」


「ルネ、好きそうだから。」


「なんでわかったの?」


「普段から感性豊かだから」


「どういう意味?」


「よく泣いたり笑ったり、かわいい」


真っ赤になった私の顔をのぞきこんで
ちょっと意地悪な笑顔

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「…じゃあ行こうか!」


本気なのかなんなのか
だんだん容赦なく
私をいじってくるようになって
どうも調子が狂う


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