スイセン

01

『タン!!』

1924年2月6日 午前3時、
京城の暗い路地から、絶え間なく銃声が聞こえる。

日本の警官: "捕まえろ!! 何をしている!! あいつがイハンだ!!"

日本語で叫ぶ警官の前を、小さなシルエットが走り抜けていた。

イハン: 'くそっ..!!'

路地へイハンが抜け出した瞬間、乱射された日本の警官の銃弾がイハンの足首を貫いた。

イハン: "くっ...!!!"

イハンはそのまま地面に倒れ込む。

イハン: "はあ....うっ...서재ㅎ...."

イハンの視界が白くかすみ、めまいのように揺れる。
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(1年前)
(1923年3月)

ソ家の使用人: "お嬢様!! 走らないでください!!"

やんちゃなソ家の末娘、ソ・ジェヒ。
彼女は京城の市場を歩き回っていた。
商人たちは慣れた様子で呵々と笑い、飴を握らせたり水を差し出したりする。

商人: "お嬢さん、飴を少し味わってみてください。これはフランスから来た飴だそうですよ"

ソ・ジェヒが走り回っていたのをやめて立ち止まる。

ソ・ジェヒ: "本当にそうなのか?"

飴を一つつまんで口の中で転がす。
目が丸くなる。

ソ・ジェヒ: "....なんとも独特な味だな。これは何の飴なんだ? レモンのようでもあるし.."

商人: "これはパイナップルかブンリか..とにかく暑い国で育つ果物の香りです。"

ソ・ジェヒがうなずいてポケットを探り、硬貨を一つ取り出す。

ソ・ジェヒ: "これと別の味もあるなら、少しずつください。フランスの飴はおいしいと聞いたけど、本当ね。"

ソ・ジェヒはぱあっと笑って硬貨を差し出す。
通りすがりの男たちが何度も振り返っては感嘆する。
こぢんまりとした顔立ちに、ぱっと笑う顔は町の自慢とまで思われていた。

飴の袋を手にしたソ・ジェヒは、飴を一つ口の中で転がしながら幸せそうに笑った。
その時、

ソ家の使用人: "お嬢様ー!!"

ソ・ジェヒはびっくりする。
そうだ、使用人だ。
かなり探し回ったのか、顔は真っ赤に上気していた。
ソ・ジェヒはぎこちなく笑った。

ソ・ジェヒ: "あはは...."

ソ家の使用人: "はあ....はあ...お嬢様...もう家に帰らないと..."

ソ・ジェヒはうなずく。

ソ・ジェヒ: "うん、もう帰ろう。"

そうして帰る道すがら

"ドン!"

ソ・ジェヒの肩がある男とぶつかった。

イハン: "あ...すみません。"

高価な西洋のスーツを着た男だった。
イハンとぶつかったせいで、イハンの手に持っていたガフェ(コーヒー)がソ・ジェヒのチョゴリの上にこぼれた。
あいにくソ・ジェヒの家は、電車で30分以上かかる場所にあった。
するとイハンが慎重に尋ねる。

イハン: "あの...うちまで歩いて3分なんですが、少し寄っていきませんか? 妹がいるので、着替えをお渡しできます。"

ソ・ジェヒ: "本当にそうしてもいいんですか? 私たちはいいけれど、あまりご迷惑じゃないかしら....."

イハンが礼儀正しくにこっと笑ってみせる。

イハン: "いえ。私の失敗ですし、もしお手伝いできればむしろ気が楽になります。"

そうしてソ・ジェヒはイハンに従って、京城の道を歩く。

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