*今回の話では作品のリアリティのために少し具体的な性的描写がありますので、鑑賞の際はご注意ください。
「うっ……チェ・ヨンジュン……」
「お、お前……なんで……」
チェ・ヨンジュンは両手で私の頬を包み込み、唇を重ね始めた。
「っ……は……」
「よ、ヨンジュン……」
「ど、どう……して……お前……」
彼の左手は私の腰をつかみ、右手は私の頬をわしづかみにして、ずっと私の口に舌を押し当ててくる……。すごく変だった。
そんな感覚は初めてだったけど、嫌な感じではなかった。
イ・ドンヒョンはいつも何でも乱暴で、触れ方も痛かったから。
でもチェ・ヨンジュンはイ・ドンヒョンとは違って、ゆっくりで、さらにじっくりだった。
それに触れ方は温かくてやわらかかった。
そして唇は少しずつ下へ向かって……
私の首にかぶりつこうとした時、
どこからか何か音がした。
(Rrrrrrr…..)
(Rrrr……)
私はアラームの音でぱっと目を覚ました。
….何だ?
….
……
あ……夢か……。
どんな夢があんなに生々しいんだ……
はぁ……起きた瞬間から頬が赤くなってる。
チェ・ヨンジュンが私に触れた、あの温かい手触りがあまりにも鮮明だ。
…..
私、ほんと何やってるんだろ?
私は出勤準備を終えて玄関のドアを開け、エレベーターに乗って下へ降りた。
私が通う塾へ行くにはバスに乗らなきゃいけないので、私はエレベーターの中でスマホでバスの時間を見た。
「ふーん……20分後に到着だから……」
「ゆっくり行っても大丈夫だな」
エレベーターのドアが開き、無意識に前を見た。

えっ……。
え?
?
うーん……。
あ……。
チェ・ヨンジュン?
….
私、まだ寝ぼけてるのかな?
….
あ、いや、これも夢なのか??
私は指で太ももをつねってみた。
あ、くそ、めっちゃ痛い。
チェ・ヨンジュンは車の前で私を待っていて、私は彼と目が合った。
私はチェ・ヨンジュンを見た途端、少しの間忘れていた夢の内容を思い出して心臓が震えた。
おい、ペウム、やばくない?
私ひとりで見た夢なんだ。あいつは知らない。
でもなんでこんなに心臓が速く打つの?
見た人は、え、ほんとに一本……。
私はもたもたしながらチェ・ヨンジュンのところへ近づいた。
「先生、出勤ですか?」
「あ、ああ」
「お前、なんでここに……?」
「乗ってください」
「送っていきますよ」
「えっ??」
「あ、いや、大丈夫……で……」
くそ、今日はほんと無理なんだけど……。
いや、今日だけじゃなくて……少なくともあの夢の内容がぼやけるまでは……!
「私も今出勤なんです」
「ついでに先生も送ろうと思って」
「早く乗ってください」
こんな親切まで断るのは気が引けて、私は仕方なく乗った。
うわ……ほんとに。
なんでだろ。
チェ・ヨンジュンとふたりきりなんて一度や二度じゃないのに、なんでこんなに震えるんだろ……
その時、
チェ・ヨンジュンが突然私の前に顔を寄せた。
私はびっくりして何もできないでいると……
チェ・ヨンジュンは私の右側のシートベルトを締めてくれた。
….あ、ペウム。
何想像してるの。
ただシートベルトを締めてるだけなのに……。
はぁ……落ち着け。
「先生」
「何かありましたか?」
私の表情に少し不安が出ていたのか、チェ・ヨンジュンが私に尋ねた。
「あ、いやいや?」
「何でも……」
「顔色が悪そうだったので」
「はは……そうかな」
「ただ疲れてるだけだよ」
「寝不足でした?」
….いや、すごくよく寝たよ。
あんな(?)夢まで見て……。
「あ、上の階の騒音が……!!」
「騒音がひどくてさ」
「ㅋㅋㅋㅋㅋ」
「どうしましょうか」
「上の家に行って一言言ってこようか、俺が?」
「もういい……ㅋㅋ」
「なんで、先生がつらいならしてあげないと」
「おい、でもお前、私と別れて卒業してからどれだけ経ったと思ってるんだ、まだ先生先生って」
「もう先生って呼ぶな」
「ここに先生なんてどこにいるんだよ……」
ちょっと……きっぱり言いすぎたかな?
気を悪くしたらどうしよう。
あ、いや、私がこいつの機嫌を損ねようがどうしようが何の関係が……!!
「じゃあ何て呼べばいいですかー」
「オンニ?」
「お、お姉さん……みたいなこと言ってるのか……!!!」
あ、もうだめだ。
これじゃまた顔が赤くなる。
「誰が、誰がお前のお姉さんだよ..!!」
「年齢差だってどれだけあるって……」
「そんなに差もないくせに何を」
「じゃあ何て呼べばいいんですか、僕-」
「あ、知らない」
「お前が呼びたいように呼べ」
「じゃあそうします」
「私が呼びたいように呼ぶね ウンア~」
「この狂った……」
「明日、お見合いの日ですよね?」
「うん、そうだよ」
「覚えてたんですか?」
「まあ、なんとなく頭に残ってたんだよ」
「なんでも覚えてるなㅋㅋ」
「そのお見合い相手の男」
「気に入らなかったら、 그냥出てきてください」
「微妙そうなら出てくるよ」
「「その人、うちの国最大手S企業の会長の孫だって……」
「なんで私みたいな人とお見合いするのかよく分からな……」
「ペウムが何だって?」
「…え?」
「ペウムのどこが足りないっていうんだよ-」
「俺でもペウムとお見合いする」
「….まあ、そんな感じです」
あ……ほんとにやばい。
こいつ、ほんとブレーキがない。
どんどん不意打ちで来るし……。
「…私、あ、あそこに降ろして」
「あそこですか?」
私はこのぎこちなくて息苦しい雰囲気から早く逃げ出したかった。
「うん、コンビニの前」
実はまだ塾まで少し距離があったけど、ただ近くで降りて歩いて行くつもりだった。
「塾、あそこなのは全部知ってるけど」
チェ・ヨンジュンはコンビニを通り過ぎ、そのまま先へ進み始めた。
はぁ。
計画も大失敗。
チェ・ヨンジュンは私を塾の前で降ろしてくれた。
「わざわざ塾まで行ってくれなくてもいいって……」
「天気も寒いのに、歩こうとしてたの?」
「ありがとう」
「毎回送ってくれるね?」
「俺が先生のボディガードになるよ」
「あ、先生って呼ぶなって言っただろ」
「いっそ、俺たちもうタメ口にしません?」
「どうなんだよ、ペウム?」
「もうタメ口でペラペラ喋ってるくせに、何がどうなんだよ、どうこうないだろ-」
「肯定ってことで受け取って、今からタメ口で話すよ、ウンア」
「授業が終わったら連絡して」
「ㅋㅋ うん」
そうして私を降ろしたあと、チェ・ヨンジュンの車は走り去った。
….はぁ…..
ほんとにやばい。
