初恋のために

10






この文章はフィクションです





photo






/








重要なプロジェクトがあり、何日も何日も残業で夜遅くに退勤する

ヒロインとボムギュだった。ヒロインは何も考えられないほど忙しかった。テヒョンとの会うことも

かなわない状況だった。そうしてヒロインはヨンジュンを少しずつ忘れていっている

ようだった。夜9時を過ぎたころ、残業中のヒロインの携帯がけたたましく

鳴り、発信者の欄にスビンと表示されて気分よく出るヒロイン







"あ、スビン"







📞 こんにちは、こちらXXカクテルバーですが、お客様が酔いすぎていまして
  お連れいただいたほうがよさそうなのでお電話しました








当然スビンだと思ったが、知らない男の声。スビンが酔ったと聞いて心臓が

どきりとした。酔った姿を一度も見たことのないスビンだったので、かなり驚いたヒロインのおかげで

報告書を書いていたボムギュはタイピングを止めた







"どうしたんですか、先輩?"








" ...."







"ヒロイン先輩?"








"あ、ボムギュさん、このへんでやめて退勤しましょう"









顔を真っ青にして出ようとするヒロインの手首をつかむボムギュは、何があったのか

わからないが、ひとりで行かせてはいけない気がして一緒に行こうと言い、会社の外へ出た。彼らは

スビンの家の近くの小さな居酒屋へ向かった。予想どおり酒に酔ってテーブルに突っ伏して

いた。大きくため息をつきながら、スビンの横に座るヒロイン。スビンを揺すって起こす









"スビン、スビン、起きよう。ね?家に帰らなきゃ"







"わあ、ヒロインぃ"








その間にもヒロインだと分かったのか、焦点の合わない目で微笑むスビンの顔は真っ赤だ

今にも破裂しそうだった。どれだけ飲んだのか、自分の体も支えられず起き上がろうとするスビンは

ヒロインにふらふらと抱きつこうとしたが、スビンを止めるボムギュだった。自分より体格の大きい

スビンを背負って家へ向かうボムギュとヒロインだ。スビンは酒癖なのか寝言なのか

ヒロインに好きだと酔った勢いで告白してしまい、ヒロインはこの状況がボムギュに

気まずくて申し訳ない気持ちでどうしていいかわからなかったし、ボムギュはもしヒロインをひとりで

帰らせていたらどうなっていたかとぞっとする想像をしてしまった。店からそれほど遠くなく

スビンの家に着き、ぜえぜえ言いながらスビンをベッドに寝かせ、上着を脱がせる

ヒロイン。そして機嫌があまりよくないボムギュ







"先輩はもういいから、帰って。家まで送るから"






"あ、先に帰ってください"







"..ちゃんと連れて帰ったじゃないですか。それで、まだ用があるんですか?"







"起きるのを見届けたら帰ろうと思って。今日はありがとう"







"ここに泊まるってことですか?"







"友だちだから..心配で、こんなに飲んだことなかったんです"







"どうして友だちなんですか。チェ・スビンは先輩を女として見てるのに
 さっきも先輩に好きだって言ってましたよ"








"わかってる。だからこそ申し訳なくて、そばに残ろうとしてるの"








"チェ・スビンさんが先輩を好きな気持ちが大きいのに、それを無視できるんですか?
 先輩はあとで別の恋なんてできないですよ。チェ・スビンが邪魔するから"







" ...."







ヒロインは口をつぐんだ。酔って寝ている人の前で悪口を言うのは礼儀では

ないが、ボムギュは腹を立てていた。もどかしそうに前髪をかき上げ、心配だったが

口を挟めば事がさらに大きくなりそうで、どうしようもなく戻ってしまう。ベッドにもたれ

しゃがみ込み、膝に顔をうずめてスビンが起きるのを待った。深夜

頭が割れるように痛むスビンは目を開け、眉間をしかめた。

何だろう、僕はどうやって家に帰ったんだ。あ、頭が。額を押さえながら上体を起こす

スビンは見慣れた後ろ姿に驚き、丸まって寝ていたヒロインも気配に

目を覚ました。







"ヒロイン、なんでここにいるの?"







"あ、うっかり寝ちゃってた。チェ・スビン、どれだけ酒を飲んだの
 自分の体も支えられないほど飲むってどういうこと? お前が酔ったって聞いて
 どれだけ驚いたと思うの。あの大きな体で酔ったら手に負えない、私には無理"








"あ、ごめん、ヒロイン。こうして謝るよ"








"私に謝らないで、ボムギュさんに謝って"








"..ち、チェ・ボムギュ?"








"そう。ボムギュさんと残業中だったの。ボムギュさんじゃなかったら
 私がどうやってここまでお前を連れて来られたと思うの。それに、お前!
 私のこと好きだって宣伝して歩きなさい。酔ってたのは嘘でしょ?"










"あ、痛い、ヒロイン。ごめんって"










"痛い目に遭え、このバカ! また酒に酔ってみなさい。そのときは死ぬと思いなさい!"









"わかったよ、ヒロイン。寝ていって。もう遅いし"








"この野郎、まだわかってないでしょ!!"









ぺしぺしとスビンの背中を思いきり叩くヒロイン。叩かれてもいいらしい。

口元が際限なく上がっていくスビンだった 






/





 
ついに一か月かけて準備したプロジェクトが終わり、役職員たちとの会議を終えた

ヒロインとボムギュは、ほほえましい笑みを交わした。世界的に輸出するブランドを

立ち上げた。









"わあ、ボムギュさん、本当にお疲れさまでした"







"いえ、先輩..いや、ソチーム長、お疲れさまでした"








"ふふ、二人きりのときは先輩でいいですよ"









明るく笑うヒロインがどれだけ久しぶりか。抱きしめたい気持ちを強く抱くボムギュは

理性の糸をなんとか保っていた。同僚たちの称賛も惜しみなく続いた









"チーム長、最高です。今回のローンチ、大成功ですよ"








"さすが!ソチーム長最高!ボムギュさんもお疲れさまでした"









"すごいカリスマ!チーム長、好きです"










"チーム長、ボーナスが出たら牛肉おごってください!牛肉!牛肉!"









"ボムギュさんいいな、有能なチーム長と同じチームでうらやましい〜"









"お疲れさま、ソチーム長。ボムギュさん、社長がすごく誇らしそうだったよ"








"バイヤーたちがソチーム長をかなり絶賛してたよ。やっぱりソチーム長は几帳面ってわかってもらわないと"










などなど称賛が続き、聞いていたヒロインは手を振ってどうしていいかわからなかった

プロジェクトを無事成功裏に終えて打ち上げをするヒロインは、酔わないように

ゆっくり調節しながら飲んでいたが、ボムギュは少し酔ってしまっていた。打ち上げを

終えて、いつの間にかヒロインとボムギュだけが残った。ふらつくボムギュを支え、スビンを

待っている間にボムギュはヒロインを抱きしめてしまい、慌てたヒロインはどうしていいかわからない

" ぼ..ボムギュさん、ちょっとしっかりしてください"









" ..ヒロイン先輩"








"大丈夫..ですか?"








"僕、先輩が好きです"







"..え?"







"僕なら幸せにできます。だから、僕のこと見てください"






"あの、ボムギュさん.."






"僕がソ・ヒロインを幸せにできるって言ってるんです.."







ぶつぶつ。いや、一体何を..少し呆然としていたが、考える暇もなく









自分を抱いているボムギュの腕にさらに力が入り、どうしていいかわからなかった。とはいえ

酔った人をそのままにしておけば倒れるのは目に見えていて、そうして倒れないように

もがいていると、スビンが現れて絶妙なタイミングでヒロインを引き離す。きちんとしていた

ボムギュが酔っているので、情けない目で見つめる。よくもヒロインを抱いたな?

ボムギュもスビンに気づいたのか、じっと見つめて挨拶する

"あ、こんにちは、チェ・スビンさん"








"酒を飲んだならきれいに家に帰ればいいのに、なんでヒロインを行かせないように掴むんだ"








"へへ、ヒロイン先輩と一緒にいたくて"








"..君の家はどこ?"






"いやいや、僕はひとりで帰っても大丈夫です。家はこの近くだし







 先輩、いやチーム長、お気をつけて帰ってください"
火照った顔で手を振りながら背を向けるボムギュ。平気そうに見えるがふらついていて









何だか不安だ。ヒロインはさっきボムギュが言った言葉を思い出した。あれって告白だよね?

予想はしていたが、ボムギュは私にとってただのかわいい後輩にすぎない。でもなぜか

胸の片隅が冷えた。どういうわけか酔った勢いで告白してしまったボムギュは後悔が押し寄せた。

雰囲気のある場所で告白するのも足りないのに、酔って告白したって?

狂ったのかチェ・ボムギュ!!ヒロイン先輩の顔をどうやって見ればいいんだ!!!







もう10話なんですね?

お祝い🎉








スビン のファンに人気のストーリー