テサンは一瞬で気づいた。
はあ……くそ……
子どものころの病気が再発したのだ。
ただの咳ではなかった。
喉からは血の味がしたし
もう一度でも咳をしたら血が出そうだった。
これはこのままやり過ごしてはいけなかった。
子どものころ、テサンは心臓病を患っていて
心臓移植の大手術を受けた。
あの時、医者はあの医者であるべきじゃなかったのに……
移植された心臓にまで心臓病があった。
ヤブ医者が何も知らずに移植したのだ。
テサンは今になって、高校生になるまで知らなかったのだ。
実は最近、体が弱ってきたのを感じていた。
だからいつか再発する気がしていた。
でも、それがこんな幸せな今日になるなんて想像もしていなかった。
ハナになんて言えばいいんだろう……はあ……
ため息が思わずふうー、ふうー、と漏れた。
ハナに直接会って顔を見て言いたかった。
[ハナ、明日時間ある?]
遅すぎる時間かな……?(23:56)
ぴろん
[うん! いいよ!]
はっ……よかった……
[明日遊ぼう!]
[いいよ!]
やっぱり可愛いね..(ぶひっぶひっ)
ごほごほ
テサンの咳がだんだん大きくなった。
やっと人生が安定を取り戻したのに、
やっと幸せになれたのに、
世界に見捨てられたみたいで、テサンは悔しくて悲しかった。
本来ならこんな感情を抱く人間じゃなかったのに、
涙が出た。
ハナに出会って、たくさんのことが変わった。
生きる理由を取り戻したこと自体が、新しい変化の始まりだった。
高校生になって家族をみんな失い、生きる気力もなかったが、
高校には行ってみて、それから死ぬかどうか決めることにした。
おばあちゃんとの約束だったからだ。
ハナに会えなかったら、すごく後悔していただろう。
ハナに出会えなかったからだ。
ハナと結婚したかったのに、
ハナと一生一緒にいるつもりだったのに、
ハナを一生この腕に抱いていたかったのに、
こんなふうに崩れ落ちるなんて思わなかった。
テサンの顔からは涙が絶えなかった。

ハナと....一生....結婚.....したかったのに......
