ジソク短編集
甘い朝の始まり

정화랑
2026.07.28閲覧数 2
ジソギは料理をして、このめったにない休みを有意義に過ごすつもりだったらしいが、いざ実行に移した姿は少しドタバタで不器用だった。
うちのかわいい末っ子はオーバーサイズのグレーのフード付きパーカーを着てガスコンロの前に立っていたけれど、そのおかげで広い肩が信じられないくらいふんわりしていて居心地よさそうに見えた。左の頬骨には白い小麦粉が一筋ついていて、パーカーのポケットの前にも小麦粉が軽く白くふいていた。ジソギは補聴器をつけたまま、キッチンの静かであたたかな雰囲気に合わせて音量を調節していた。フライパンの上でバターがやさしくじゅうじゅう鳴る音を聞き逃さないためだった。
ふだんのジソギは、言葉より行動で示すほうだったけれど、二人きりになってすっかり気が楽になると、持ち前のいたずらっぽくて飄々とした一面がそのまま漏れ出してきた。ジソギはものすごく集中した真剣な顔でフライ返しを慎重に持ち上げ、少し形の崩れたパンケーキを裏返そうと苦戦していた。
「笑わないで。これ、戦略的な形なんだから」ジソギが甘えるように文句を言った。こちらを振り向いたジソギの顔いっぱいに、部屋全体を十倍はあたたかくしてしまう、あの明るくまばゆい笑みが一瞬で広がった。ジソギは唇を少し尖らせ、フライパンを指さした。「もともとは星の形にするつもりだったんだ。生地が思ったより横に広がっちゃっただけ」
「諦めた雲みたいだけど」向かいの調理台に寄りかかって座り、やわらかく笑いながら私がそっと茶化した。
思いがけない奇襲のからかいに、ジソギは完全に不意を突かれた顔をしていた。真面目なシェフの表情は一瞬で消えた。胸の奥で低く幸せな笑い声を響かせながら、ジソギはフライ返しを置き、ただ一歩の自信に満ちた足取りで私たちの距離を縮めてきた。
ジソギは私の空間へまっすぐ大股で近づき、キッチンの残りの景色をすっかり遮るように立った。大きくてあたたかな両手が伸びてきて、手のひらで私の腰をやわらかく、けれどしっかりと包み込み、私を調理台の端へぴたりと押しつけた。そして私の目線に合わせようと、頭を少し傾けた。
もうこれ以上下がれないほど、ジソギが信じられないくらい近づいてくるせいで、彼のあたたかな胸が私の胸に触れ、私たちの距離は完全に消えた。私だけに向けられたまっすぐで強い愛情をいっぱいに宿してきれいに細まるジソギの目尻を見つめていたら、私の平静さは完全に崩れ落ちてしまった。
「諦めた雲みたいだって?」ジソギがささやいた。私の頬にほんのあと少しで触れそうな距離にとどまるそのまなざしの中で、いたずらっぽい甘い火花が散った。ジソギは低く息混じりの笑いをこぼし、抑えきれない আনন্দに肩がかすかに揺れた。「まだ僕の料理を味わってもいない人にしては、かなり大胆な発言だね」
ジソギは私の腰を抱いていた右手をほどくと、私の左手をそっと導いて、自分の胸の上にやさしく乗せた。「今日は僕が本気で最高にしてあげるから、雲みたいだなんて言うのは取り消して」ジソギが静かで落ち着いた口調で低くささやいた。彼の声は、心臓を容赦なく溶かしてしまいそうなほど低く深い響きに沈み、私の胸の奥へあたたかなぬくもりをそのまま注ぎ込んだ。ジソギはもう少しだけ身をかがめ、私の唇にやわらかく余韻の残る口づけをそっと落とした。肌に触れる彼の息は心地よくあたたかかった。やがて唇を離したジソギは、もう一度目がくらむほど明るい笑みを見せた。「じゃあおとなしく待ってて。今回は絶対に完璧だから」
ジソギは私の腰を優しくぎゅっと一度握ってから手を放し、またガスコンロの前へ歩いて行った。すっかり幸せいっぱいの末っ子っぽさを漂わせ、うれしさでいっぱいの様子だった。陽射しがたっぷり降り注ぐキッチンのあたたかさに包まれ、次の一枚を焼きながらひとりで上機嫌に鼻歌を口ずさむその背中を見ていると、今回のパンケーキ戦争の勝者はもう決まっている気がした。