あの日以来、まるで生徒たちが僕の心でも読んだかのように
ファン・ヒョンジンだけが罰点を免除される理由についての推測が
すぐに学校の噂として広まっていった
財閥の息子だから、継ぐ事業に支障を出さないように
学校側がもみ消しているんだって、
過保護な親のしつこいクレームのせいだって、
チンピラの父親が学校に来て脅したんだって、などなど
ありとあらゆる憶測が飛び交う中
むしろファン・ヒョンジンは、そんな噂を聞いても
特に何も言わずに静かに学校生活を続けていた
内心、もどかしい気持ちもなくはなかった
僕なら腹が立ってでも噂をどうにかしようとするのに
どうして口をぎゅっと閉ざしているのか
他人が本人の家の話を
平気で口にしても気にならないのか
少しの心配と疑問が混じった目で
ファン・ヒョンジンを見つめたが
その噂が本当なのかと思う気持ちに
噂を半信半疑で受け止める気持ちはある程度あった
もちろん、だからといってファン・ヒョンジンへの疑問を
すっかり消したわけではなかった
きちんとしたスーツ姿の男ときらりと光るカーニバル
そして眠そうな目をこすりながらその中で乗り降りするファン・ヒョンジン
噂が変なふうに広がってもおかしくない光景だったが
もしこの光景を見たと友達に話したら
噂がさらに妙なものに変質して
状況がややこしくなるのは明らかだったのでわざわざ口を開かなかった
おかしいと感じる部分も、もちろんあった
彼がそこにいようがいまいが
彼の名前を口にしながら
いろいろな憶測を重ねていたが
当人に直接聞きもしない生徒たちの態度だった
ファン・ヒョンジンは彼らのひそひそ話に
見せつけるように伏せて眠りについた
学校が終わって正門を出るころには
建物の向こうに太陽がゆっくりと沈んでいた
黄色に染まった空とピンク色の雲があちこちで絡み合い
空はパステルで塗ったみたいに
色とりどりに輝いていた
いつものように狭い路地へ足を向けた
ファン・ヒョンジンは両耳にAirPodsを差したまま
誰かとの通話を続けていた
鋭い口調に少し足が止まった

「もういいですって。わざわざ学校まで来て、もてなされなきゃいけないんですか?
静かに暮らしたいんだから、警護員の兄さんももう送らないでください」
聞いてはいけない会話を盗み聞きしてしまったみたいだった
大きな背中が路地をふさいでいて
仕方なくファン・ヒョンジンの後をついていったが
自分の意思とは関係なく、うっかり聞いてしまった通話内容に
ひどく動揺せざるを得なかった
「通してください」と言うべきか、
それとも通話が終わるまで
待ってから道を空けてくださいと頼んでみるか
頭をぐるぐる回したが
通話が終わる気配はなかった
「あの..」
指先でファン・ヒョンジンの背中をちょんちょんとつついた
「ちょっと通ります」
顔を上げて見上げた彼の顔には
読み取れない表情が浮かんでいた
ファン・ヒョンジンは差していたAirPodsを外し、のんびりと言った

「ネズミが盗み聞きしてたな」
