「 テヒは思ったより酒に弱いな〜 「
「 そうですね、よく飲めると思っていたのに意外です 「
人でにぎわう店内

「 ビール、ここです。ありがとうございます 」
みんなが酒を飲みながらおしゃべりしていたその時
「 それにしてもテヒって男たちに人気ありそうだよね〜 そうでしょ? 「
ある先輩の一言で事件は始まった
「 酒も飲めないし顔もかわいいし
男たちのおかげで家で過ごす暇もなさそうだね? 「
にぎやかだった空気が一気に冷えた
みんなが社長の顔色をうかがい始めた
社長もまた硬い表情で
かなり酔っているからそろそろ帰れと帰宅を促したが
先輩は空気も読まずに話を続けた
「 いや〜社長、社長だって見ればわかるでしょ〜
どう見てもそう見えません? 夜の世界顔じゃない? 「

「 先輩、かなり酔っているのはわかりますけど、言葉に気をつけてください 「
「 … まあ〜 ミノとテヒは友達なんだし
ミノの前でそんなこと言うのは失礼でしょ〜 」
「 何が悪いんですか ㅋㅋㅋ 体を売る人たちだってちゃんと食べてちゃんと生きてるのに 」
またも沈黙が流れた
ミノは口汚い先輩の態度に 必死に怒りをぐっとこらえた
社長とアルバイトたちは場を和ませようと 話題を変えたが
繰り返しテヒの話を持ち出す先輩の言葉にミノは
表情がだんだん暗くなっていった

怒りをこらえていたミノの顔はすぐに赤くなり
それを見た別のアルバイトはそっとミノの背中をさすってくれた
「 さりげなくテヒみたいな純粋なタイプは口説きやすいんだよね〜 「

「 いいですかげん、いい言い方のうちにやめてください 「
そのときになって先輩は口を閉ざした
事の重大さを悟った先輩は 謝る代わりに
反応してくれる人がいないから つまらないと言い訳を並べ立てると
先に席を立った

ミノは苛立ったように ビールをぐいぐい飲み干した

「 私、先に失礼します 」
「 おお、気をつけて帰れ〜 帰りにテヒも送ってやって 」
「 社長、私たちもそろそろ帰りましょう 」
「 清潭駅2番出口に行ってください 「
ぐったりして眠るテヒの隣に座って窓を開けた
怒りをこらえるために押し殺していたため息を荒く吐き出し
テヒを見つめた
思い悩むミノとは対照的に、穏やかな顔をしたテヒは
窓にもたれたまま、ぐっすり眠っていた
