名前のない関係

06











強く吹く風にテヒの前髪が揺れた

ミンホはひどい先輩の顔を
今にも思いきり殴りつけたかったが
風に当たりながらそれを抑えようと努めた


Gravatar


酒に弱いテヒを責めるわけにもいかなかった

嫉妬でも、同情でもない妙な感情が胸にしみたが
どうしようもなく、やるせなさを酒のせいにするしかなかった

固く握ったこぶしをゆっくりほどいた

もしかして会話の全部をテヒが聞いていたのか、
もし聞いていたなら、ひどく傷ついてはいないだろうか心配ばかりが先に立った









「ありがとうございます、お気をつけて」


タクシーから降りるやいなや、テヒを肩に担ぎ上げた

力なくぐったりしたテヒは
支えられながらやっと足を踏み出した


「ほどほどに飲めって言ったのに、ちっ」


家に着くやいなやテヒを寝かせて
こわばった肩をあちこち回した

額にじんわり浮いた汗をぬぐい、台所へ向かった

冷水をあおったあと、再び寝室に戻ると
まったく動かずだらりとしたテヒを見て
どうしたらいいか悩みに沈んだ

上着を着たままもうベッドに横たわっているやつを
そのまま寝かせて出て行こうかと思ったが
すぐに首を振って考えを改めた


「おい、起きろ」


肩をそっと揺らしてみたが
寝返りを打って、小さくうめくだけだった









半袖Tシャツの上に羽織ったカーディガンを脱がせようと手を伸ばした


「自分の体より大きいの着て歩いてるな」


そうつぶやきながら脱がせたカーディガンを椅子に畳んで置くと
また別の関門がミンホを待っていた

少し迷ったが、すぐに腹をくくって半袖を脱がそうとした

背中に押しつぶされた半袖は脱がせられず
あちこち体を転がしながら、どうにか服を脱がせた

半袖の下には下着だけだった

真っ赤になった頬を何度か叩いてから
さっき畳んでおいたカーディガンの上に
半袖をきちんと整えて置いた

一方テヒは
何度も体がひっくり返される不快さに身をよじりながら目を開けた

ぼんやり見えるミンホの背中越しに下を見ると
下着だけの体が見えた

考える暇すらなく
重い頭をもう一度ぽすんと枕の上に落とした

残りの服を脱がせようとテヒに近づいたミンホは
その瞬間固まった

細い腕がミンホの首に絡みつき
閉じていたテヒの目が、うつろにミンホを見つめた

息が触れるほどの距離で
濃い酒の匂いが鼻を突いた

正気を取り戻そうと必死に瞬きをしたが
首に回されたその腕は、さらに強く絡みついてきた

熱い吐息が互いに触れ合ったが
それをこらえるように唇をぎゅっと噛みしめて言った


Gravatar

「気楽だって忘れてるみたいだけど、俺も男だ」

「知ってる」


やがて二つの唇が重なった

重なった唇は温かく、柔らかかった

ミンホは、かろうじて保っていた理性の糸が切れたように
唇の間へ舌を滑り込ませた

熱い息で、部屋はすぐに湿った

手慣れた様子でズボンのボタンを外していたミンホの手は
すぐにテヒの頬へ向かった

大きな手は、ふにゃりとした肌をわしづかみにした

肌の上にかろうじてかかっていた服が
一枚、また一枚と床へ放られた

二人の体は熱かった

火照った二つの顔が向き合った


「後悔しない? 」


荒い息をしながら裸のまま自分を見下ろすその視線に
迷わずうなずいた










Lee Knowのファンに人気のストーリー