来た時とは違って、帰り道はかなり賑やかだった
眠気がすっかり覚めたのか、休まずぺちゃくちゃしゃべるテヒは
誰よりも楽しそうに見えた

妙な駄じゃれが何度か飛び交ううちに
あっという間に近所の路地に入った
大音量で流れていた音楽を消して、車の外に出た
長距離運転をしたせいか
降りた途端、思わず伸びをした
車の中ではとても楽しそうだったテヒも
疲れたのか、すぐにあくびを漏らした
あまりにも不安で、玄関の前まで見送った
マンションの駐車場へ向かう途中に感じた夜風は
ひときわ涼しくてさわやかだった
深く息を吸い込みながら頭を反らした

真っ黒な夜空に 小さな星がきらきらと輝いていた
まるで黒い画用紙に白い絵の具を
ちょんちょんと置いて描いた絵みたいに見えた
魅入られたようにスマホを取り出してカメラのシャッターを押した
期待でいっぱいになって開いたギャラリーには
きれいな星の写真はどこへやら
くすんだ色合いの写真が写っていた
なんだかがっかりして舌打ちをすると
ポケットにスマホをねじ込んだ
ひとりで乗る車の中はやけに静かだった
一日中おしゃべりしていた声が消えると
ぽっかり穴が空いたみたいだった
もの寂しい雰囲気が気まずくて
音量を下げて好きな歌を流した
鼻歌を口ずさみながらアクセルを踏んだ
「 ちぇ.. 」
出発してどれだけ経ったというのに、前の車がいきなり割り込んできた
ブレーキを踏みながら顔をしかめた
クラクションを短く鳴らすと
前の車は申し訳なさそうにハザードを点けた
ハンドルをあれこれ切りながら曲がりくねった路地を抜けると
すぐに家の前に着いた
エレベーターを待つ間
思わずテヒと一緒に聞いた歌を口ずさんでいた
部屋に入るなり服を着替えて
ベッドの上に身を投げ出した
手の中で何度も震えていたスマホを取り出すと
インスタグラムの通知欄が表示されていた

テヒだった

少ない吹き出しを見た瞬間、くすっと笑った
家に着くなりまずトイレを探していたであろうテヒを想像したら
とても笑いをこらえきれなかった
声を上げて笑いをこぼしながら
キーボードをカタカタ打った

吹き出しを二つ送ってから、やっとスマホを置いた
明日のために電気を消して目を閉じても
ずっと笑いが漏れてきた
吹き出す笑いを抑えようと
枕に顔をうずめても笑いがこみ上げてきた
そんなふうにしばらくバカみたいに笑ってから眠りについた
たかがうんこの話で笑うなんて
私もあなたも、まだ大人になるにはほど遠いみたいだ










