1年間、私の妻になってください。

EP.11

数日後。

SHグループが主催するチャリティーバザーが開かれる日だった。

今回のイベントには、系列会社の役職員だけでなく、多くの協力会社も参加した。

ソンホの妻であるヨジュも、同席しなければならなかった。

会場に到着したヨジュは、淡いクリーム色のワンピースを着ていた。

いつもより少しおしゃれをした姿に、社員たちの視線が自然と向いた。

「お嬢さん、本当にお美しいですね。」

「代表ととてもお似合いです。」

褒め言葉が続くほど、ヨジュは照れくさそうに笑ってばかりいた。

少し離れた場所からその様子を見ていたソンホは無表情だったが、視線だけはずっと彼女を追っていた。


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イベントが始まって一時間ほど経ったころ。

ソンホは取引先の代表たちと話していた。

そのときだった。

会場の天井に設置された大型の装飾物が、かすかに揺れ始めた。

最初は誰も気づかなかった。

しかし固定具の一つが外れ、重い鉄製フレームがゆっくり傾き始めた。

その下には...

ヨジュがいた。

ヨジュは社員と話していて、上をまったく見ていなかった。

遠くからその光景を見たソンホの瞳が大きく揺れた。

ソンホ「...キム・ヨジュ!」

彼の声が会場に響き渡った。

突然の叫びにヨジュが顔を上げた。

しかし、もう遅かった。

鉄の装飾物がそのまま下へ落ち始めた。

その瞬間。

ソンホは考える暇もなく駆け出した。

バシッ!

彼は全力でヨジュの手首を引き寄せた。

ヨジュ「きゃっ!」

バランスを崩した二人は、そのまま床に倒れ込んだ。

ドン!!

背後で大きな音とともに、装飾物が床に落ちた。

会場は一瞬で大混乱になった。

「誰もけがしてない?」

「119 呼んで!」

「どいてください!」

ざわつく声の中で、ヨジュは目を閉じたまま息を切らしていた。

数秒後。

恐る恐る目を開けると、最初に見えたのは...

自分を抱きしめるように覆っているソンホだった。

ソンホは倒れる瞬間、自分の体で彼女をすっぽり覆い、衝撃を防いでいた。

二人の顔は、手のひら一枚入るほど近かった。

荒い息が互いに触れ合った。

ヨジュ「...しゅ、代表。」

ソンホは何も答えなかった。

ただヨジュをあちこち確認した。

頭。

腕。

脚。

傷はないか確かめるように。

数秒後になってようやく、彼はかろうじて口を開いた。

ソンホ「...けがはありませんか?」

その声はいつもよりずっと低く、かすかに震えていた。

ヨジュはぽかんとした顔でうなずいた。

ヨジュ「...はい。」

その言葉を聞くと、ソンホは長く息を吐いた。

まるでようやく安心したかのように。


---

社員たちが急いで駆け寄ってきた。

キム室長「代表! 大丈夫ですか?」

ソンホはゆっくり身を起こした。

その瞬間。

「代表! 腕に血が...」

ヨジュの目が大きくなった。

ソンホの右腕の袖が長く裂けていて、赤い血がゆっくり流れていた。

さっき装飾物の破片がかすって、傷つけられたのだった。

ヨジュ「...血!」

ソンホはそのとき初めて自分の腕を見下ろした。

ソンホ「...大丈夫です。」

ヨジュ「何が大丈夫なんですか!」

初めてヨジュの声が大きくなった。

ヨジュは急いで社員から救急箱を受け取ってきた。

会場の片隅。

ソンホは椅子に座っていて、ヨジュは彼の前にしゃがみ込み、慎重に傷を消毒した。

薬がしみると、ソンホの眉がほんの少し動いた。

その様子を見たヨジュが小さく言った。

ヨジュ「...痛いですか?」

ソンホ「...大丈夫です。」

ヨジュ「また大丈夫って言う。」

「...」

「代表は全然大丈夫じゃないのに、いつも大丈夫って言うんです。」

ソンホは彼女をじっと見つめた。

いつもなら「本当に大丈夫です。」と言っていただろう。

でも今は、不思議とその言葉が出てこなかった。

ヨジュは丁寧に包帯を巻きながら、ぼそりとつぶやいた。

ヨジュ「...本当に驚きました。」

「...」

「代表が来てくれなかったら...」

最後まで言い切れなかった。

指先が小さく震えていた。

その様子を見たソンホは、無意識に左手を伸ばした。

そして、とても慎重に。

ヨジュの手の甲を包み込むように握った。

ヨジュの動きが止まった。

二人の視線が重なった。

ソンホ「...よかったです。」

「...」

「無事で。」

短い一言。

だが、どんな長い文よりも真心がこもっていた。

ヨジュは胸が詰まるのを感じた。

彼女はゆっくり彼の手を握り返した。

今度は演技でもなく。

記者たちの前で見せるための行動でもなかった。

ただ互いのぬくもりを確かめるように、しばらく手を離さなかった。

その瞬間。

二人とも口には出さなかったが、同じことを考えていた。

『この人がけがをしていませんように。』

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