1年間、私の妻になってください。

EP.14

数日後。

SHグループ慈善財団の支援イベント。

今回のイベントには、国内の主要企業の代表たちに加え、記者たちまで出席した。

運学も招待され、会場に姿を現した。

彼は遠くから聖号と女主を見つめ、意味ありげな笑みを浮かべた。

『今日から始まりだ。』


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会場内。

女主は来客たちと挨拶を交わしていた。

聖号は重要なミーティングのため、少し席を外していた。

そのとき、誰かが彼女の前に立ちはだかった。

文ハナだった。

ハナ「少しお話ししませんか?」

女主は戸惑ったが、静かにうなずいた。

二人は人のいないテラスへ移動した。

ハナは腕を組んだまま女主を見つめた。

ハナ「...契約結婚だそうですね。」

その瞬間。

女主の顔から笑みが消えた。

女主「...何をおっしゃっているんですか?」

ハナ「知らないふりはしないでください。」

ハナはスマートフォンの画面を見せた。

数枚の写真。

聖号と女主がそれぞれ別の部屋に入っていく姿。

ホテルで最初に会ったときの写真。

婚姻届を出した日付。

あまりにも早く進んだ結婚の過程。

ハナ「これだけでも十分おかしいですよね?」

女主は必死に平静な表情を保った。

女主「...ただの憶測ですね。」

ハナ「そうですね。」

ハナは鼻で笑って言った。

「だから証拠を探しているんです。」

「...」

「聖号さんはともかく。」

「...」

「あなたは長くは持たなそうですけど。」

その言葉を残して、ハナは先に踵を返した。

女主はしばらくその場に立ち尽くしていた。

不安が押し寄せてきた。


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同じ頃。

聖号は遠くからテラスのほうを見ていた。

ハナと話し終えた女主の顔は、いつもと違っていた。

心配と不安でいっぱいだった。

彼はすぐに彼女へ近づいた。

聖号「...何かありましたか?」

女主は無理に笑ってみせた。

女主「何でもないです。」

「...」

聖号「女主さん、自分では嘘がつけないってご存じでしょう?」

その言葉に、女主は結局さっきあったことをすべて打ち明けた。

聖号は最後まで黙って聞いていた。

そして話が終わると、短く言った。

聖号「...私が解決します。」

女主「代表。」

聖号「心配しないでください。」

「...」

「絶対にあなたに被害が及ばないようにします。」


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イベントが終わった後。

深夜。

二人は新婚の家に戻った。

いつもよりずっと静かな空気だった。

リビングに入った女主は、ソファに力なく座った。

聖号はしばらく彼女を見つめたあと、向かいに座った。

長い間、沈黙が流れた。

やがて聖号が先に口を開いた。

聖号「...キム・女主さん。」

女主「...はい。」

聖号「契約期間。」

「...」

「あと十か月ほど残っています。」

女主は静かにうなずいた。

聖号は両手を組んだまま、しばらくためらった。

いつもの彼らしくない様子だった。

何を言うべきか何度も考えている顔。

そしてついに。

静かに口を開いた。

聖号「...私は。」

「...」

「この契約を。」

少し息を整えた。

「...終わらせたいです。」

その瞬間。

女主の瞳が揺れた。

終わらせたい。

その言葉が頭の中で響いた。

『やっぱり...』

『契約がばれる危険が出てきたから。』

『もう終わらせるつもりなんだ。』

女主は必死に笑ってみせた。

しかし目元は、少しずつ赤くなっていた。

女主「...わかりました。」

聖号は彼女の返事がおかしいと感じた。

聖号「私の言いたいのは...」

だが女主は彼の言葉を最後まで聞けなかった。

無理に笑みを浮かべて言った。

女主「...契約でしたよね。」

「いつかは終わるってこと。」

「...」

「わかっていて始めました。」

その言葉を残し、彼女はゆっくり席を立って自分の部屋へ入っていった。

ドアが閉まる音が家の中に響き渡った。


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聖号はそのままソファに座っていた。

『...いや。』

『そういう意味じゃない。』

彼が伝えたかった気持ちは、それではなかった。

『契約を終わらせて。』

『本当の夫婦になりたい。』

しかし最後まで言えなかった。

聖号は深いため息をついて、目を閉じた。

一生、仕事だけをして生きてきた彼は。

仕事の能力は非常に高かったが、

好きな人に自分の気持ちを伝える方法だけは、不器用なままだった。

そして扉の向こう。

ベッドに座った女主は、ついにこらえていた涙を静かに流していた。

契約が終われば何でもないと思っていた。

でも。

思ったよりずっと痛かった。

そのとき初めて気づいた。

自分がいつからか。

契約相手のパク・ソンホではなく、

パク・ソンホという人を

好きになっていたのだと。

あの日、二人は互いの本音を一言ずつ取り逃した。

その短いすれ違いは、これから二人の関係を最大の試練へと導き始めた。

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