燦然たる短編集
静かな午後の約束

정화랑
2026.08.22閲覧数 4
Big Oceanのリーダーとして見せていた厳格で威厳ある姿は、今日に限っては完全に引き出しの奥深くにしまい込んであるようだった。
兄さんはちょうど要塞の入口から後ろ向きに、よちよちと這い出てくるところで、明るい黄色のオーバーサイズのスウェットを着ていて、広い肩が信じられないほどやわらかく、ぎゅっと抱きしめたくなるほどふかふかに見えた。布団に何度もこすられたせいで、黒髪はすっかりぐしゃぐしゃに乱れていた。コーヒーテーブルのそばで待つ私を見つけた瞬間、兄さんの顔いっぱいに太陽みたいな大きな笑顔がぱっと咲いた。
「ついに正式に完成しました」 찬연兄さんは誇らしげで得意げな笑いを弾ませながら、ぺらぺらとしゃべった。兄さんの低くてとろけるような声が、親しいタメ口に乗って、部屋をあっという間にあたたかなエネルギーで満たした。兄さんは額の汗をぬぐうふりをした。「構造的安定性は100パーセント保証。さあ入って、私の愛しい人」
「兄さん、私が一番好きな枕をぜんぶ屋根に使っちゃったらどうするの」私はソファのクッションにもたれたまま、すっかりくつろいだ姿勢でやわらかく笑った。「私たちの上に崩れ落ちてきたらどうするの?」
「絶対に崩れない! 俺、完璧主義者だから」兄さんはおもしろそうにかすれた声で笑って返した。兄さんの目元には、いつだって私の理性を完全に崩してしまうような、深く濃い優しさがたっぷり宿っていた。
私がこれ以上いたずらをしかける前に、兄さんは要塞の床に敷かれた厚くてふかふかのグースの羽毛布団の上へ、私をすばやく引き寄せはじめた。
兄さんは私のすぐ隣まで這い込んで布の入口を閉め、私たちを二人きりの秘密めいた居心地のいい安息地に閉じ込めた。要塞の内側は、上のシーツ越しに差し込むやわらかくほのかな黄色い光に染まり、さっき兄さんが作った香ばしいポップコーンの匂いがかすかに漂っていた。
兄さんは長く距離を置かなかった。ためらいなく私を自分の腕の中へすっと引き寄せた。ふわふわのフリースの毛布を私たち二人の肩の上にしっかりかぶせて、自分の広い胸に私を安心して抱き寄せてくれた。
兄さんは私たちの横に置かれたボウルへ手を伸ばしてポップコーンをひとつつまみ、私の唇のすぐ前に差し出した。声を出さずに幸せそうに笑っているせいで、兄さんの肩がやわらかく揺れた。
「あーんして」 찬연兄さんが私の耳元でささやいた。肌に触れる兄さんの息は、あたたかくて、いたずらっぽかった。「中に居続けたいなら、要塞司令官さまに貢ぎ物を捧げないとね」
私はやさしくくすくす笑いながら、ポップコーンをひと口かじると同時に、兄さんの肩にそっと頭を預けた。そのおかげで、兄さんの大きな笑顔はいっそうぱっと広がった。
「かなりいたずらっ子な司令官さまですね」私は少し顔を上げて兄さんを見上げ、やわらかくからかった。
近づいた距離に、찬연兄さんの息がわずかに乱れ、耳の先がきれいな薔薇色に、あっという間に真っ赤になった。兄さんはうつむいて、私の鼻先にやわらかく余韻の残るキスをそっと落とし、それから頬に蝶の羽ばたきみたいに軽いキスを次々と残した。くすぐったさに、私は思わず新しい笑いをこらえきれずにこぼした。ようやく兄さんの唇が私の唇にやさしく重なったとき、それは純粋で、ぬくもりがあって、甘い祝福そのものだった。布団の壁が作った安全な囲いの中でしっかり封じられた、静かな午後の約束だった。