そよ風が丘の上に座っている日に吹き抜けるような冬の夜の香りが、私の部屋をさっと撫でて去っていく。
部屋はすぐに草原へと変わる、その雰囲気に合わせて 部屋の照明は月に変わり、周りの家具はただの古びた骨董品に変わる。布団はあっという間に草原の草たちへと変わり、スマホから流れる歌は丘の下の村で聞こえる祭りの音へと変わる。
この雰囲気の中で、私は冷たさを感じ、生きていることを感じる。混雑した都市を抜け出した田舎の冬の夜の香りは、誰もあえて振り払えない誘惑の匂いだ。
複雑な考えを凍らせて消してくれる冷たい、そしてある意味では温かく私を包むこの香りを、私は今日も窓を開けて部屋の中へ招き入れる。

