君がいたあの夏

06 : 笑い

数日後、読書同好会の部員たちはかなり親しくなっていた。


「兄さん、この本ほんとに面白いです。一回だけでも読んでみてください!」


「おお〜、タイトルからしていい感じだ。ぜひ読んでみるよ。」


テサンは少しずつ笑い始めた。
最初は口元を少し上げて、
次は小さく微笑んで、
今では満面の笑みまで浮かべられるようになった。


「テサン、笑うと可愛い。」


ソンホの褒め言葉に、テサンはまた小さく笑う。
その様子を見てヨジュも小さく言った。


「...笑わなくても可愛いのに...」


「え?」


「あ、いや!」


ヨジュは急いで後ろを向いた。
なぜそんなことを言ったのか、自分でも理解できなかった。


『前から心臓もずっと高鳴ってたし、
いったい何が原因でこうなるのか全然わからない...』


(ふむ、果たして本当にわからないのかな...)


ソンホが帰り、部活の時間も終わりかけていた。

夕焼けがゆっくり沈み、教室には日差しが差し込んでいた。
ヨジュはテサンを家に帰そうと呼んだ。


「テサン。」


「...」


「ハン・テサン?」


「...」


トン-

テサンの肩を軽く叩いてからようやく、
テサンはヨジュのほうへ顔を上げた。


「はい?」


「本と結婚するつもり? 中に入りそうなくらいだよ、ほんとㅋㅋ」


「あ、そ、その、そうですか...?」


ヨジュはしばらく小さく笑った。
テサンは恥ずかしさで耳がじわじわ赤くなった。


「あ〜面白い。部活の時間が終わりそうだから家に帰れって言おうとしてたのに、思いがけず笑いの治療を受けちゃった。」


「あ、家に帰らないといけないんですね...」


テサンは本を閉じて、急いで荷物をまとめた。
ヨジュはその様子をじっと見守る。
世界一冷たい顔をしておきながら、あたふた動く姿にまた笑いがこぼれてしまった。

テサンは静かに尋ねた。


「...なんで僕だけ見るとそんなに笑うんですか...?」


「ㅎㅎ... 可愛いから。」


笑うと我を忘れてしまうヨジュは、心の内をぽろりとこぼしてしまった。

テサンは口をぽかんと開けた。
言葉もそうだったが、
窓の隙間から差し込んだ黄色い陽射しが、ヨジュの前髪の先にかかった光景があまりにも非現実的だった。
きれいな線を描くように上がった口元も、
三日月みたいに曲がった目も。
誰だってあの状況では恋に落ちただろう。

そして、テサンもそうだった。
photo

///

最近、友達と遊んでいて『誰かを好きになるときは特定の理由が必要だ』っていう話を短くしたんですけど、理由なんてないって意見にほぼみんな賛成でした。
それが記憶に残って、少し話に織り込んでみます...

+私が好きな本に出てくる表現をひとつ入れたんですが、当てた方には望むものをやります(?)
(かなり無理があるのは除外 ex. ちゃん付けしてあげる、あだ名に変える)

テサンのファンに人気のストーリー