この作品はフィクションです。

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《愛する私の憎しみへ》第1話
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ソユンはまた一人だった。
授業が終わるとすぐに家へ帰り、
空きコマがあれば図書館にいた。
誰かに話しかけられれば返事はした。
でも、自分から話しかけることはなかった。
仲良くなろうと言われれば、笑って断った。
「ごめん。ひとりでいるほうが楽で」
それがソユンにとって、人と距離を置くいちばん簡単な方法だった。
その日も授業が終わったあと、
ソユンは人が集まる中央階段を避けて、裏道へ向かった。
祭りの準備でキャンパスはいつもより混雑していた。
学生たちがテーブルを運んでいて、
大きな箱を抱えた人たちがあちこちを走り回っていた。
ソユンはスマホを確認しながら歩いていて、角を曲がった。
その瞬間だった。
ドン。
「……!」
誰かと肩を強くぶつけた。
手に持っていた本が床に落ちた。
「あ……。」
ソユンが顔をしかめて身をかがめた。
それより先に、相手が本を拾い上げた。
「これ。」
ソユンは本を受け取った。
「ありがとうございます。」
そしてすぐにバッグへ入れた。
「大丈夫?」
「はい。」
「けがはない?」
「ありません。」
ソユンは短く答えて背を向けた。
ところが男がまた言った。
「ごめん。」
ソユンが立ち止まった。
「……はい。」
「それで終わり?」
ソユンがゆっくり振り返った。
「ほかに何をすればいいんですか?」
男はしばらく黙っていた。
「いや。ただ。」
「大丈夫だって言いましたよね。」
口調は思ったより冷たく出た。
だがソユンは気にしなかった。
翌日。
ソユンはいつもより少し早く講義室に着いた。
席に座ってノートパソコンを開き、イヤホンを差した。
周りを気にしないようにした。
だが、ほどなくして、
誰かが横を通り過ぎる気配がした。
ソユンが顔を上げた。
昨日のあの男だった。
男もまたソユンに気づいて、少し止まった。
「……また会ったね。」
ソユンはイヤホンを外しもせずに答えた。
「そうですね。」
男は笑いもしなかった。
ただ自分の席へ行って座った。
ソユンは再び画面へ視線を戻した。
そのとき教授が入ってきた。
「では、今日はグループ課題の発表準備から確認します」
ソユンはノートに内容を書き留めた。
しばらくして教授が班を確認し始めた。
「3組はハン・ソユン、チェ・ヨンジュン、キム・ミンソク、イ・ジフ」
ソユンのペンが止まった。
ゆっくり顔を上げた。
窓際に座っていた男が手を挙げた。
「はい。」
チェ・ヨンジュン。
ソユンは心の中で短くため息をついた。
『よりによって』
授業が終わったあと、グループ課題のために四人が少しだけ集まった。
「グループチャット作る?」
キム・ミンソクが言った。
ソユンはうなずいた。
「はい。」
ヨンジュンがスマホを取り出した。
「番号教えて。」
ソユンはしばらく彼を見た。
「グループチャットでいいじゃないですか。」
「でも、念のため。」
「グループチャットがあれば十分です。」
ソユンの返事はきっぱりしていた。
ヨンジュンはそれ以上聞かなかった。
「わかった。」
それだけだった。
ソユンはむしろそれが気に入った。
無理に仲良くなろうとしない人。
しつこく話しかけてこない人。
なのに不思議と、
だからこそ余計に気になった。
数日後。
グループ課題をするため、四人は図書館に集まった。
ソユンは一番早く着いて資料を整理していた。
しばらくしてヨンジュンが向かい側に座った。
「資料整理した?」
「はい。」
「見せて。」
ヨンジュンはソユンが差し出したノートパソコンの画面を確認した。
「このパート、いいと思う。」
「では、そのままやります。」
「うん。」
会話はそれで終わった。
ソユンは再び資料を整理した。
しばらくして、
ソユンのノートパソコンの画面が突然消えた。
「……何。」
バッテリーが切れたのだ。
バッグを漁ったが、充電器は出てこなかった。
「はあ……。」
そのときヨンジュンが自分のバッグを開けた。
「充電器あるよ。」
ソユンはすぐに首を振った。
「大丈夫です。」
「今、電池ないじゃん。」
「家に帰ってやればいいです。」
「今日、資料整理するって言っただろ。」
ソユンはしばらく彼を見た。
「だから、自分で何とかします。」
ヨンジュンはそれ以上勧めなかった。
「わかった。」
そして本当に何も言わなかった。
ソユンはかえって戸惑った。
たいていの人なら、一度はもう少し勧めるはずなのに。
『どうして、そのまま引くの?』
それが不思議だった。
しばらくしてソユンがノートパソコンを閉じようとすると、
ヨンジュンは自分の充電器をテーブルの上に置いた。
「必要なら使って。」
「……。」
「使わないなら、片づける。」
ソユンは充電器を見つめた。
「どうしてそこまでしてくれるんですか?」
「何が?」
「私に。」
ヨンジュンは少し考えてから答えた。
「同じ班だから。」
その言葉にソユンは口を閉じた。
それ以上でも、
それ以下でもなかった。
ヨンジュンはまた自分の資料を見た。
ソユンはしばらく充電器を見つめてから、そっと受け取った。
「……ありがとうございます。」
「うん。」
短い返事。
ソユンはノートパソコンを再び起動した。
不思議だった。
親切なのに、負担にはならなかった。
近づいてくるのに、踏み込みすぎない。
だからこそ、なおさら警戒した。
人は最初は、みんな平気なふりをする。
そしていつの間にか、
自分が信じたぶんだけ近づいたあとで、本性を見せる。
ソユンは充電器を見つめながら考えた。
『今回も同じだったら、どうしよう』
だから、これ以上近づかないことにした。
まだ。
ヨンジュンという人がどんな人か分かるまでは。
絶対に先には信じないと。
ソユンは再び画面へ視線を戻した。
そして向かい側で何も言わず課題をしているヨンジュンを見ながら、
静かに心の中で線を引いた。
『ここまで。これ以上はだめ。'
その線を越えさせないつもりだった。
少なくとも今は。
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この作品は15話まで連載して、外伝を2〜3編?
くらいで考えてるんですけど、どうでしょうか..🤨
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