TXT短編

両片思いの空回り 上 - スビン






この文章はフィクションです





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ふわふわな赤ちゃん時代のチェ・スビン🐰



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" ヨジュヤ、こんにちは!"






" ..うん、こんにちは!"







登校した私に向かって、陽だまりみたいな笑顔を浮かべる君

チェ・スビンは私の片想い相手だ。私の心臓はあなただけのために動いてる

あ、ほんとあいつは毎日がビジュアル全盛期更新かよ かわいくて清純でイケメンって

チェ・スビン、全部お前がやれ ㅋㅋ へへ チェ・スビンを見ながらぼーっと見つめていた







" おいおい、そんなにチェ・スビンが好きか?よだれ拭けよ"







"あーもう、ほんとチェ・スビンは私にとってアイドルでイエス様だ"








" ふざけんなよ、推し語りはやめろ。そんなことでチェ・スビンがあんたを知ってくれるのか?
 好きだって告白でもしなよ、ほんと見てらんない!"







" だめ!絶対だめ!ただ学校で思う存分見るだけにするの! ああ、かわいい"








" おい、それのほうが変態っぽいぞ、この女"







" ひーん"







友達のあの女は私に告白してみろって言うけど、告白できない、いや、しない理由は

ちゃんとあった! チェ・スビンに告白する女子の先輩後輩さんたちは十人いれば十人

振られたってことだ。だから私も100%振られると確信していた

それで、男を好きになれたらという絶望的な想像までしていた

そんな憂うつな日々を送っていたんだ、こうして友達のままでいられるだけでもどこが悪いんだって

毎日のように慰めにしていた。それにチェ・スビンが振る理由はみんな同じだった

好きな人がいるってこと! だからしばらくあの女と

全学年を駆け回ったけど、これといった手がかりも出ず

チェ・スビンの片思い相手の髪の毛ひとすら見つけられなかった





"おい、別の学校じゃないの? いくら探しても手がかり1個もないじゃん"





"そうかな?毎日あの陽だまりみたいな笑顔を見る
選ばれし片思い相手は誰なんだろう? すごくうらやましい、ひん"





" 振られヨジュ! でも私がチェ・スビンの片思い相手まで知る必要ある?
 もうやめよう、ただずっと片想いしてろよ、この足りない女!"






" スタバのジャバチップフラペチーノ、ホイップクリームめっちゃ多め!"






" 愛してる、チャ・ヨジュ!"




私をぎゅっと抱きしめて、キスの真似までするあの女、資本主義の奴隷かよ!

おかげで私のお財布事情はスッカスカだったってさ。登れない木は見上げるな、って

言うじゃない? あれ全部大ウソだ。見上げればいいじゃん、わざわざどうして登るんだ?ㅋㅋ

ごめん、ジョークだ。実は疲れ切っていた私は、片思い相手探しをしばらく中断した。そのうち

もともとない生理痛が私を苦しめたおかげで、昼ごはんも食べられず保健室へ行って

痛み止めまで飲んだあと、すっかり神経質になったままベッドに横たわり、頭まで布団をかぶって

眠ろうとしたら、誰かが私の肩をそっとトントンと叩いた。私は友達のあの女がいたずらしてる

と思って、何も動かずいつまでやるのかじっとしていた。そしたら2、3回

また触ってきたからイラついて眉間にしわまで寄せて布団をはねのけ、怒鳴った





" やめてよイ・ハジン! 私ほんとに痛...!!"





" ..ご..ごめん.."





え、目の前にいたのは友達のイ・ハジンじゃなくてチェ・スビンだった

思いもしない怒鳴り声に、すっかりしょんぼりした顔のチェ・スビン

あちゃー、私は申し訳なさと気まずさで顔が熱くなった

でもこの状況で、体は熊みたいにでかいくせに何も悪くないのに瞳を

ころころ動かして考える顔がかわいすぎて、もっとからかいたくなった

けれどそこまで親しい仲じゃないから、すぐにしまいこんだ





" ..ハジンだと思ってた;;ごめんね。でも、ここで何してたの?"





" いや、お前が食堂にいなくて、イ・ハジンだけ見えたから聞いたんだ
 あいつがお前は具合悪くて保健室にいるって言ったから、心配で来てみた"





どきどきして心臓が飛び出しそう。ここ保健室には私とチェ・スビンだけ

心臓よ暴れるなお願い! くそ、言葉まで絡まる。もたもたチャ・ヨジュ、最高だろ





"..わ..私が、し..心配、だっ、たの?"





"うん。そういえば顔色もよくないみたいだし"





そう言って心配そうな顔で、あの大きな手が何でもないみたいに私のおでこを

押さえてきて、ほんとに死んでもいいってこういうことかもと思った





"熱はないみたいだけど? かなりつらいの?"





" ううん! スビンが心配してくれたから、全然痛くない! "





ああ、ヨジュ! チャ・ヨジュ! 落ち着け、興奮するな、推し語りはやめようって自分に言い聞かせる私





" ㅎㅎヨジュは元気だね。あ、昼ごはんも食べてないだろうし、お腹すいてない?"





" ううん"





" ?!"





はっきり言い終えた瞬間、まるで戦争でも始まったみたいに私のお腹から

ぐうぐう、あるいはドドドドと、雷でも鳴るみたいに空腹を訴える音が響いた

チェ・スビンと目が合って、口元が上がって、 くそ、もう死のう

そうだよ、めちゃくちゃ腹減ってて死にそうだよ。飯を愛する私が、生理痛のせいでご飯も

食べられなかったんだから! 生きてて初めて、お腹の中の乞食を恨んだ。チェ・スビンはまた

太陽みたいな満面の笑みを浮かべた。そうだ、笑ってチェ・スビン、お前なら!

このくらいの恥は甘んじて受けられるㅠㅠ




" あー、やっぱりヨジュはほんと面白い。腹がよじれそうㅎㅎ"





" 私のせいでお腹が裂けたらスビンが痛いからだめ"




" ㅋㅋㅋㅋㅋㅋお前がいないと、学校に来る楽しみもなさそう"





ありえないクソみたいなことを言いながら、私も知らないうちに推し語りを全部ぶちまけた

くそ、これじゃ私が女に見えるわけないじゃん..ただの陰キャみたいに見えたんだろうな、勢いよく

推し語りしてるうちに空腹を忘れていた。終わったらトッポッキでも食べようと思って

たんだけど、チェ・スビンは「あ、やっちゃった、私ったら」と言ったあと、かなりずっしりした

黒い袋をベッドの上に置いた。チェ・スビンはすごくうれしそうな顔で袋を開けて

何かを私に見せる。見てみると、売店でチョコってつくものを全部買ってきたのか

いろんな種類のチョコ味のお菓子があった。私は目を見開いて、これ何だと聞いた





" イ・ハジンに聞いたらお前チョコの化身だって言うから、何が好きか
 わからなくて、売店のチョコ菓子を全部買ってきたㅎㅎ"






" え? わあ、ありがとう。君も食べて"





" いいの?"





チェ・スビンはいつの間にかチョコ牛乳にストローを差して私の口にくわえさせ、

チョコクリームパンの袋を開けて、パンのかけらを自然に私の口に入れてくれた。なんだ

まるで恋人同士みたいだった。私たちはパンひと切れまで分け合う仲になった

もぐもぐ食べるのがまるでウサギみたいでかわいい。いや、チェ・スビンそのものが

ただの無害なウサギだ。人ってどうしてかわいいのに、しかもイケメンでもいられるの?

簡単じゃないよね..今日も君のおかげで生きる力が湧いた。家に帰って考えてみると

あの日保健室でのチェ・スビンの行動は、誰が見ても誤解されそうな状況だった

違うかな? 友達が具合悪いから世話してくれただけだよね? チェ・スビンは私じゃなくても

みんなに親切で優しいんだから、と大して気にしなかった

あの日からチェ・スビンへの私の気持ちが大きくなったのは事実だ




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ある日、友達のあの女と給食を食べて戻ろうとしたら、チェ・スビンとカン・テヒョンが深刻そうで

知らないうちにそっと後をつけた。もちろん、あの女をまいてだ。そうして誰も

いない視聴覚室へこっそり入っていく彼ら。思いがけずチェ・スビンとカン・テヒョンが

話しているのを聞くことになった。よくは聞こえなかったけど、だいたい何の話かはわかった





" どうしよう? あいつのことがすごく好きなのに、このまま告白..しようかな?"





" ああ、あいつ?"




" うんうん! あいつほんと小さくてかわいいの"




" お前が大きいんだよ"





" いや、パンを受け取って食べるのがすごくかわいい赤ちゃん鳥みたいで
 ほんとそのとき危なかったってば?"





" でもチェ・スビン、私は1ミリも興味ないんだけど"





" テヒョン、ひどい。悩みを聞いてくれるの、お前しかいないじゃん"






" あー人のことなんて興味ないし"






" さみしー"





" まあ、ハムスターは小さくてかわいいけど
 あいつは1個もかわいくない、ほんとやりすぎ"





" ハムスター? あ、そうかな? おっ! 考えたことなかったけど、そんな気もする"





" そんな気もしない、って何だよ。バカなのか"





" ㅎㅎそうだね、俺バカなんだね"





" お前、ついにハムスターに夢中になったんだな。また俺の言うことは耳に入らないのか?"





"カン・テヒョン、うちのハムスターに興味持っちゃダメ、ノーノー!"






" ハムスターは俺の好みじゃない。心配ノーノー"






え、片思い相手はハムスターだったの? (んなわけあるか??) じゃなくて、ハムスターみたいに小さくてかわいいって?

口の悪いカン・テヒョン、なんでうちのスビンを泣かせようとするの? ドアに耳をもっと近づけた

なんで大事な話だけ聞こえないんだ? ん? なんで静かなんだ? そしてドアが開いて
 
見慣れた顔が見え、私を見下ろす顔がふたつ、困惑した表情のチェ・スビンと

かなり不機嫌そうなカン・テヒョン






" はは;;こんにちは?"





" いつからここにいたんだ? まさか俺たちをつけてきたのか?"






" あ..ちが..?! 私、通りかかっただけなんだけど? え? ハジン、行こう"






" チャ・ヨジュ、どこへ逃げるつもりだ? 俺たちの話を盗み聞きした感想はどうだ?"






何でもないふりをしてここにいない友達のあの女の名前を呼び、逃げようとしたら

察しのいいカン・テヒョンに手首じゃなくうなじをつかまれてもがいた

チェ・スビンの前で何やってんだろ、殺す? チェ・スビンがここにいなかったら
 
たぶんカン・テヒョンは私に半殺しにされていただろうと想像する、みじめな私だった。ふん





" おい カ.ン・テヒョン 1ミリも何言ってるか聞こえなかった、本当だ"






カン・テヒョンはあのぎょろっとした大きな目で私を疑い、じっと見つめた

目をどこにやればいいんだろ、むかつくほどめちゃくちゃイケメンだという事実







" おいチャ・ヨジュ、俺はカン・テヒョン! じゃなくてカン・テ.ヒョンだ、ヒョン!"





" あ、ごめん、カン・テヒョン;;"





あー恥ずかしい..カン・テヒョンって言った過去の自分を許さないで

上っ面だけの謝罪をして、チェ・スビンの顔色をうかがうことになった。バレるほど尾行してたかな?

あいつが好きなもの、知らないよね? 余計な考えはやめて、チェ・スビンの好きな

片思い相手はすごく小さくてかわいいらしい。ちぇっ、私は違うじゃん。急にしょんぼりした

そうだ、私はもちろん違うよね。すごく意外だな

背が高いから背の高い女が好きだと思ってたのに、急に足を止めたカン・テヒョン

カン・テヒョンは意味ありげな笑みを浮かべ、よくわからない言葉を最後に消えた





" あー、両片想いで空回りしてるんだな。誰か告白しろよ
 受けてくれそうなのに。ああ、頭が良くても何の役に立つんだ、空気も
 まったく読めないバカども、いつまで空回りするのかポップコーンでも食べながら
 見物してるしかないな。私は先に行く、またあとでな、チェ・スビン"






" おいカン・テヒョン、一緒に行こう! ヨジュ、先に行くね。じゃあね "






" うん、じゃあね.. "






あいつ、今私とチェ・スビンに悪口言ったよね? チェ・スビンも消えて、ぼんやり立っていた

両片想いの空回り? 誰のこと言ってるの? 片思い相手? 告白してみろって

チェ・スビンに向けた話だよね? ちゃんとわかるように言ってよ。自分が頭いいからって

得意げにでもなったの? 何なの、むかつく。急に頭がごちゃごちゃになった






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残りの秋夕連休もよい休暇をお過ごしください。



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