穏やかだった週末が過ぎて
また慌ただしい月曜日だ。
今週から映画会社の脚色作業も始まる。
午前中にカフェをオープンして
今日はお昼からはジソンさんに任せることにした。
私は午後に映画会社に寄る予定だ。
翻訳はずっと座って一人でやる仕事だけど
カフェはまず体を動かさなきゃいけないし
いろんな人にも会えて、
一日中音楽も聴けて、
香り高いコーヒーの香りまであっていい。
オープン準備を全部しておいて、
今日は私の好きな音楽を流した。
最近どっぷりハマっている
Deloriansの [Daisy]だった。
カフェのドアが開いて
今日の最初のお客さんが入ってきた。
"いらっしゃいませ。
あ! ウジンさん、こんにちは?"
"おはようございます、ジョンアさん。
アイスアメリカーノをお願いします。"
"え!! この曲?"
"え?"
"Daisy ですよ。" / "Daisy ですよね?"
私たちは同時に言ってから
笑った。
"この曲、ご存じですか?
私が先に聞いた。
"私の好きな曲なんです。"
"本当ですか? 最近聴き始めたんですけど
この歌手の曲、全部いいんですよね。"
"この曲が出てから何年も経ってるのに
最近知ったんですね。
あれ? でもこの曲の内容も
カフェで働く Daisy という女性を見て
一目惚れする内容じゃないですか。"
"好きな曲だったので流したんですけど
カフェによく似合う曲でしたね。ㅎ"
私はコーヒーを手渡しながら彼に言った。
"YouTube のこの曲の下に
<この曲が好きな人と一緒に歩きたい>
こんなコメントを書いた人がいたんですよ。
それを見て本当に共感したんです。"
その言葉を聞いたウジンさんはびっくりした。
"それ... 私が書いたんです。"
"本当ですか? 冗談ですよね?"
"いいえ... 冗談じゃなくて...
本当に僕です。"
私たちは驚きすぎてしばらく
口を閉じられなかった。
彼がカフェを出たあとも
私は彼が冗談を言ったのか本当なのか
分からなかった。
昼を過ぎて
私は準備を急いで、もう一度映画会社のビルへ向かった。
車が混みそうだったので
地下鉄で行こうと少し早めに家を出た。
前回ミーティングした担当者に会って
メイン作家さんにも挨拶をした。
担当者さんが、作家さんとの会議が終わったら
監督にも会わせてくれると言った。
メイン作家さんとは初対面だったので
説明を聞くことがたくさんあった。
会議をしている間
時間がどう過ぎたのか分からなかった。
初めてやる仕事だからか
すごく興奮して、珍しかった。
'そう。脚色作業をやるって言ってよかった!'
満足感を胸に、担当者さんについて
監督がいる部屋へ行った。
ドアを開けて入ると
すでにお客さんが来ていた。
ソファに背を向けて座っていたその客は
ドアを開けて入っていく私たちの方へ顔を向けた。
'なんでまたここで会うの?'
"監督。
こちら、うちの映画の原作小説を翻訳された作家さんです。
脚色も手伝ってくださることになっていて。
作家さん。こちらがうちの監督です。
それから、こちらはうちの映画の主演俳優パク・フンジさんです。"
"こんにちは。ユ・ジョンアと申します。"
私は監督とフンジさんに順番に挨拶した。
フンジさんも、予想外の私との再会に
かなり驚いたようだった。
監督が私に聞いた。
"主演俳優は私が直接選んだんですが
作家さんから見て
原作キャラクターに合っていると思いますか?"
私は少しの間フンジさんを見た。
"はい。合っていると思います。
原作キャラクターは表面的には無愛想で強そうですが
感情がすごく繊細な人なんです。
そんな感情を表現するには
単にセリフが上手いことより...
表情や目つきで見せるのが大事だと思います。"
私は何気なく言葉を続けた。
"そういう面では、パク・フンジさんがうまくやれそうです。"
監督が満足げな表情で言った。
"作家さんの話を聞くと、俺は主演俳優をうまく選んだな。"
私は監督の言葉を聞きながら
フンジさんを見た。
彼は照れて、どうしていいか分からない様子だった。
挨拶を終えて、
私は先に事務所を出た。
エレベーターに乗って
1階のボタンを押したところで、
突然誰かが手でエレベーターのドアを押さえた。
私もすぐに開くボタンを押した。
フンジさんの顔が見えた。
彼はエレベーターの中に入ってきて
ドアが閉まるやいなや言った。
"うわ〜、すごくかっこよかった。
うちの彼女。"
私は驚いてフンジさんを見た。
彼はもう一度言った。
"ぼく...彼女。"
"もしかして... 彼氏、いますか?" <13話より>
